■2016.04

日めくり 2016年04月(平成28年)         



2016.04.01 夜間飛行

羽田発の伊丹行き最終便。仕事帰りにふたたび西へ。
週末に2泊3日で京都、奈良をめぐる計画。
下手な関東近辺より、こちらの方が馴染みつつあるのが怖い。
荷物の預けから搭乗まで、付与されたバーコードを読ませて手続きが進行する。
何やら自分がコンビニの商品になったような気分。
今回は往復とも窓側「K」の席を指定した。
眼下に広がる夜景を見ながら、束の間、夜間飛行の気分に浸ろうと思っていた。
以前、上空から東京湾を横浜から三浦半島、江の島まで一望できた。
その時、横浜スタジアムもしっかりと確認できたので、
DeNAと戦っている阪神タイガースに空からエールが送れるかもしれない。
ところが窓からの夜景の殆んどを覆い隠す巨大な翼。だめだこりゃ。


2016.04.02 京都、河原町から四条大宮まで

河原町から新京極、寺町、錦市場を四条通りと並行して歩いて大宮まで。
新京極をまともに歩くのは中学の修学旅行以来。
ここの土産物屋でクリント・イーストウッドのポスターを買ったのだったか。
そのポスターは40代まで部屋の壁に貼り続けていた。
そうだった、自分の京都の原点は新京極の賑わいだ。
錦市場で漬物をつまみ食いして、お茶の試飲をするのはお約束。
壬生寺を訪れるのは20年ぶりか。
相変わらず納められた絵馬には少女漫画風の沖田総司。
いつの時代も乙女趣味が不変であることに苦笑しつつ、
タイガースの必勝を願い“寅薬師”西光寺で般若心経を読経させてもらう。
本当にどの方面に行っても京都は裏切らない。


2016.04.03 今、ふたたびの奈良へ。

「うましうるわし奈良」から二週間。今、ふたたびの奈良へ。
って、JR東海のCMの丸パクリだが、
そのCM映像をYouTubeで見るたびに敬虔な気分にさせられる。
二週間前は法隆寺、薬師寺、唐招提寺から東大寺、興福寺の王道コース。
そして役行者の足跡を追うように吉野の金峯山寺を訪ねた。
そして今回はいよいよ長谷寺へ。
これで西国三十三観音霊場は残すところ岐阜の谷汲山で結願となる。
時あたかも桜の季節。以前、桜は城、寺院は紅葉こそ似つかわしいと書いたが、
長谷寺や阿倍文殊院、談山神社に満開に咲き誇る桜には思わず息をのむ。
桜はそれ自体の美しさもさることながら、
風雪を刻むお堂や拝殿を背景に仰ぎ見ると、なんとも言えない悠久の時を感じさせる。
さらに有難いことに、天皇皇后両陛下が神武天皇2600年式年祭にご臨席とのこと。
なんの偶然なのか、毎年のように皇室の方々をお見かけしている。
それはそれとして-----
ふたたびどころか、奈良にはこの先、何度となく訪れることになるだろう。


2016.04.04 喧噪の大阪で

昨夜、伊丹からの最終便で帰ってきたのだが、
関西に旅に出ては、素通りばかりしている大阪について触れてみたい。
素通りといっても二日間とも宿泊は大阪だった。
殆ど常宿となりつつある新今宮駅隣の三畳宿。
いつものように朝のあいりん地区公共職業安定所の前は閑散としている。
聞けば、元気な者は暗いうちに日雇いバスに乗り、すでに“出勤”しているらしい。
閑散とした路地で座り込む人は、釜ヶ崎用語でいう“あぶれ”か。
あぶれた人たちの何人かはぶつぶつ独り言をいい、何かに怒鳴っている。
以前、テレビがこの地区でドキュメンタリー番組を制作したとき、
取材レポーターが、近くにそびえ立つあべのハルカスとドヤを対比して、
「あのような豪華なビルは羨ましくないか?」と住民にインタビューした際、
「あのビルは俺たちが建てたんやで」と答えていたのは痛快だった。
さて、その西成の安宿。大浴場からの通天閣の眺めは最高なのだが、
いかんせん共同トイレが汚い。少々下痢気味だったが、我慢して南海の駅に行く。
ところがトイレットペーパーがなく、ちり紙の自動販売機。久々に見た。
ちり紙を買うのもシャクなどで、やっとコンビニを見つけたまではよかったが、
トイレで血まみれで倒れているおっさんを警官が引きずり出していた(汗)
そんな大阪だが、率直に凄いと思ったのは林立する高層ビルの群れ。
夜、伊丹からリムジンバスであべの橋に向かう途中、阪神高速はその高層ビル群を縫う。
「♪夜の街にガオー ビルのハイウェイにガオー」と口ずさみたくなる未来風景だ。
(未来風景といいながら歌が古い!)
もちろん東京や横浜にも高層ビル群はあるが、高速道路がここまで接近してはいない。
バスは偶然にもライトアップされた造幣局の桜の通り抜けも見られるサービスぶりで、
これは夜の大阪観光コースとして金を取れるのではないかと思う。
さらに飛びきりの風景があった。
近鉄奈良線の生駒トンネルに入る直前に車窓から臨める高層ビル群の遠景。
大都会が陽炎のように霞んで蜃気楼のように浮かび上がる絶景に思わず息をのむ。
うーん大阪。素通りばかりしてはならないと思った次第。


2016.04.05 「超変革」証明の東京ドーム

一塁走者の藤浪が激走。ワンヒットで一気に三塁まで陥れ、
その藤浪が全力疾走の横田の内野安打で生還。
ヘイグと横田で重盗も決め、ゴメスも果敢に走って西岡の内野安打でホームを踏む。
小兵ではなく大男たちの全力疾走で得点を重ねていく金本阪神。
昨年、カモにされたポレダの動揺を誘ってボークで追加点。ざまあみろってんだ!
選手の判断かベンチの作戦なのか、面白いように打つ手が決まっていく。
ここまで「してやったり感」満載の東京ドームの試合も珍しいのではないか。
これぞ金本知憲がスローガンとして掲げる「超変革」。
高山の4安打も含め、いやはや久々に東京ドームで溜飲が下がった。
試合終了後に3塁側のゲートから吐き出される虎党たち、
例外なく皆が笑顔だった。


2016.04.06 職場泊

新たな年度を迎えた途端、一気に仕事が増える。
仕事が増えてもまったく有難くないのは非営利団体のつらいところ。
GW進行ということもあるだろう。
仕方なく昨夜は東京ドームから職場に戻って徹夜仕事となった。
なにせ週末に関西をめぐった疲れも残っているので身体がしんどい。
もうこういう無理をする歳ではないのだろうが、仕方ない時があるのだ。
さすがに今夜の東京ドームのチケットは友人に譲る。
…結果としては菅野に完封負け。
いつもなら「あゝ俺が行っていれば」などと冗談を飛ばすのだが、
こうも身体がヘトヘトだと「行かなくてよかった」としか思えん。


2016.04.07 残業しつつ

仕事をやっていると見せかけて(いや、実際やっているのだが)
職場仲間の死角にスマホを置いて東京ドームの中継を見る。
残業仕事なんてこれくらい牧歌的な方がいい。
いやはや2桁得点かいな。ドームでの圧勝劇は楽しい。
ただこういう壊れた試合はスタンドで見るより中継で十分。
もちろん仕事中はいかんです。ごめんなさい、もうしません。
ホントか?


2016.04.08 泣けたぞ西岡剛

残業でひとり職場に残ったのを幸いに、スマホで野球観戦。
1点ビハインドの九回裏。鳥谷の内野安打で同点に追いつき、一死二三塁で西岡。
2ストライクと追い込まれながらノーステップで振り抜いた打球が右中間に飛んで行く。
九回裏逆転サヨナラ。金本阪神は甲子園開幕戦を劇的勝利で飾った。
…って、本来なら大いに感嘆符を交えながら興奮気味に綴るのだが、
日々の忙しさと体調不良でもって筆が進まず、すでに何日も過ぎている。
ゆえにその後の2戦を落としていることも知っている。
一応、タイトルだけは当日のうちに決めて、内容は後日にという形を取っているのだが、
「日めくり」で野球の試合を取りあげるのは臨場感がすべてなので、書いていて苦しい。
もちろん「泣けたぞ西岡剛」としたのは、土壇場の勝負強さのことではなく、
お立ち台で感極まって言葉を詰まらせた姿に、こちにも呼応してしまっことによる。
涙を見せられるとすぐに釣られてしまう。こちらもそういう歳なのだ。
ずっと怪我に泣かされた、不遇の二年間が西岡の脳裏をかすめたのだろう。
そんな選手の光と影が見えた瞬間はいつもエキサイティングだ。


2016.04.09 実家には行ったものの

週末の一日は実家に帰って両親の用を足す。
ひとつの生活のリズムになっているのだが、
今週は関西の寺社めぐりから戻り、野球を観に行った後に職場泊を含む残業の日々。
昔ならちょっと疲れが残る程度のことでも、
疲れが取れなくなったどころか、今は明確に体調が崩れるようになった。
身体が思うようにならないと気持ちも前に進まなくなって、
父親のぶっきらぼうな言い方や、母親のぐずぐずの愚痴が我慢ならなくなる。
実家で買い物に付き合ったものの、晩飯をパスしてアパートに戻った。
仕事で疲れ、週末に実家で疲れてたら世話ない。
ま、野球観たりしながら適当にやってはいるのだけど。


2016.04.10 休日出勤

要は人手不足と、その日にならなければ忙しいのかどうか判然としない職種。
疲れているなどといってられない。来る仕事は片づけていかなければならない。
本当に売上が営業成績になるのなら文句はないのだが、
営利団体ではないので、忙しさがモチベーションになりにくい。
それでいて売上がなくなれば当然潰れる。この矛盾に在籍8年でも未だ途惑う。


2016.04.11 「午前十時の映画祭7」スタート

この映画祭も7年目に突入した。
一応、再上映を除くすべての作品に足を運んできて、観賞数155本。
往年の名作から、二度とスクリーンで観られないと諦めていた作品まで、
それなりに充実した休日の朝のひと時を過ごしてきた。
すでにラインアップが発表され、『ティファニーで朝食を』で幕は開いているが、
上映29作品中で23本が初上映。その内、劇場未見作が11本。
サム・ペキンパー『ゲッタウェイ』をようやく劇場で観ることが出来る。
新藤兼人『午後の遺言状』なども見逃した感のある作品だ。
その他、『奇跡の人』『アラバマ物語』など未知なる映画への期待は大きい。
そして毎度のことながら既見作への思いも募る一方。
初めてひとりで洋画を観に行った『ポセイドン・アドベンチャー』との再会。
日本映画の名作といわれながら、当時、理解できなかった成瀬巳喜男『浮雲』。
しかし今回は何といっても『続・夕陽のガンマン』の上映につきる。
これは自分の中の金字塔であるばかりか、人生を変えた一本だ。
学生時代、文芸坐で観たボロボロのプリントと違って、
イタリア公開オリジナル全長版180分での上映が実現する。
セルジオ・レオーネの絶妙な演出に、問答無用のモリコーネの名曲の数々、
映画の粋がシネスコ大画面に炸裂する様を想像するだけで秋が待ち遠しい。


2016.04.12 点から点

自分だけの自由な時間にやたら固執するようになったここ数年間。
普段はとくに気にならないが、残業などをすると通勤の往復3時間がつらい。
つらいというより、あまりにもその時間がもったいない。
職場とアパートの点と点。その点を結ぶ片道一時間半。
満員電車に身体を預けながら点から点へと身体を運ぶだけの時間。
大抵はもったいないと思っている時間を、さらにもったいなく消費していくのだが、
結局、それ自体が人生そのものになってしまっているのではないかと思う恐怖。
その恐怖がちょっと頭をよぎっただけ、今夜の一時間半は有意義だったか。


2016.04.13 薬がまた増える

医者が聴診器を胸にあてた途端に眉をしかめる。
「大きく息を吸って、止めて、ゆっくり吐いて、では背中を出して・・・」
聴診器をあてるまでもない、呼吸に雑音が混ざっているのは自覚しているし、
こうして深呼吸をさせられているそばから「ザァー」と低い音がする。
いつもの血圧の薬をもらうための病院通いのついでに、身体を診てもらった。
検診でレントゲンは暮れに済ませていると告げると、
「動物は飼っていますか?」と訊かれる。
どうやらアレルギー性の喘息の疑いがあるらしい。
ハウスダストやダニなどのアレルゲンに陽性反応があるのだが、
改めて血を抜かれ、検査結果待ちだという。
とりあえずと吸入剤と抗生物質を処方してもらった。
やれやれまた薬が増える。


2016.04.14 欠勤で改めて思い知る睡眠障害

あまりにもくしゃみと咳が酷く、「遠慮なく休め」との指示は出ていた。
それでも「風邪なら人にうつせば治る」と思っていたのだが(悪)
さすがに医者から吸入剤と抗生物質を処方されて心が折れた。
いつもの起床時間に起きて、午前中はテレビやパソコンで過ごす。
定食屋で昼食をとるとお決まりの睡魔が襲ってくる。
普段は職場にいてその睡魔との七転八倒の壮絶バトルが展開するのだが、
今日は「遠慮なく」休ませてもらった。
目が覚めたらすっかり暗くなっている。時計の針は午後6時過ぎ。
そうか、いつもの睡魔とのバトルを放棄するとここまでの爆睡になるのか・・・。
いかに普通の就寝時間にきちんとした睡眠がとれていないということか。
2年前のクリスマスイブに「終夜睡眠ポリグラフ検査」を受け、
「自分の命のため頑張りましょう」といわれてC-PAPなる機械を渡された。
何れは永眠するわけだから…とうそぶきながら機械を返却。
歯軋りから歯を守るためのマウスピースも結局サボっている。
そもそもそういった道具は安眠をサポートするためのものではなく、
熟睡を妨げる道具としか思えないだ。この矛盾に腹が立つ。
矛盾といえば、睡眠障害そのものが自分にとって矛盾の最たるものだ。
“日常やたら眠くなるのに、ちゃんと就寝出来ていない”
自分にいわせれば不条理なことではあるが、
“就寝時にちゃんと眠れていないのだから、普段が眠いのだ”となる。
さて、なんとしたものか。


2016.04.15 熊本地震

3.11のときの震度5以上の揺れを体感したことがない自分にとって、
住まいが倒壊するほどの地震は想像を絶する。
こういうことがあると、本当に色々なことが吹っ飛ぶ。


2016.04.16 前震、本震て何だ?

阪神淡路の時に学習したつもりでいたのが、
大きな地震があれば、その後の余震はその規模は超えない、ということ。
ところがマグニチュード6.5から一日経過し、マグニチュード7.3が起こる。
自分の無知なのか、常識が古かったのか、それとも想定外の事態が起こったのか。
そもそも「今回の地震は活断層の歪みが原因」といわれるが、
地震の要因はすべて活断層の歪みではなかったのか。
よく言われるプレートと活断層との明確は違いはなんなのだろう。
熊本地震は前震だった。。。前震、本震て何だ?


2016.04.17 遠い・・・

熊本には一泊だけ出張で行ったことがある。
あれは阪神タイガースが千葉ロッテと日本シリーズを闘っていた2005年。
熊本市内の阪神百貨店のイベント会場を覗いたのだったか。
熊本城の天守閣を市電の窓からチラ見したのも憶えている。。
こんな時に“虎退治”の加藤清正の城など見てはいけなかったのだ。
シリーズは惨敗し、確か熊本での仕事も不調に終わった。
高校生のときに緋牡丹のお竜さんの熊本弁に夢中になったものの、
自分と熊本との関わりはその程度のものでしかなく、
残念ながら大学の同級生にも熊本出身者はいなかった。
この度の地震について、被災した方々に同情はするのだが、
熊本は何もかも遠すぎて、ニュースを見ていても傍観者以外の何者にもなれず、
明日は我が身と想像しても、番組のコメンテーターのような深刻な顔は作れない。
同じ日本であっても海に隔てられていると、当事者意識を持つことはかくも難しいのだ。
やはり自分の立つ足もとが揺れないことには、切迫感は得られないのだろうか。


2016.04.18 早よ慣れてくれ

毎朝、通勤電車に遅れが生じる。
長年の経験でこの時期の電車がやたら遅延することは知っている。
満員電車に乗り慣れていない新社会人や学生が大量発生するからだ。
前を走る電車、後ろ走る電車。そのどちらが遅れても時間調整が入る。
今の若い奴らはスマホやゲームを弄っているので、人にもたれて立つ。
「自分で手すり、吊革を持たんかい!」「リュックは背負うな、前で抱えろ!」
さすがに乗車マナーまで会社や大学で教えることはないので、
GW過ぎまではこの状態は続くのだ。早よ慣れてくれ。


2016.04.19 教訓Ⅰ

救援物資は出発しているのに避難所に届かない-----。
大規模災害が起こるたび、何故かような事態となるのか。
3.11のとき、直接の被災地ではなかった首都圏のスーパーでも、
ミネラルウォーターがなくなり、牛乳が消え、納豆のショーケースがガラ空きとなった。
後から判ったのは、包装のラベルを製造する工場の稼働停止が原因だったということ。
あの時の首都圏が非常時だったのかどうかは別としても、
少なくとも平時ではなかったのだから、ラベルの有無などどうでもよかった。
日本は不要なルールに拘り、それに呪縛されて融通が利かなくなる傾向にある。
今回も食料や救援物資が一ヶ所に集められたはいいが、そこから渋滞が起こった。
そんなものは自衛隊の輸送機でもオスプレイでも現地に直接運び込めばよいのだ。
遅まきながらオスプレイが飛んだことで、沖縄タイムスあたりは喧しいが、
阪神、東北の教訓Ⅰがまったく生かされていない事態に呆れ返るばかり。
避難所マップの作成もいいが、輸送機の発着スペースの確保、確認も至急ではないのか。


2016.04.20 アレルギー性ぜんそく、確定

血液検査の結果、ハウスダストとダニのアレルギーが“超”陽性と出た。
吸入剤を2カ月分追加され、抗生物質に今までの血圧の薬と併せて、
一気に薬代が7000円を超えた。勘弁してくれ。
どうしようかな煙草、、、。医者はすぐにでも止めなければ駄目だという。
今はまだマシだが、あと十年もして呼吸が弱くなるにつれ苦しむのは貴方だという。
うーん悩む。・・・・メンソールにしてみようかな。


2016.04.21 反省

「風邪なら人にうつせば治る」
などと先週はクシャミと咳を連発し、鼻水啜りながら残業を繰り返していたが、
その甲斐あって(?)今週に入ってから我が職場は病欠者が相次ぎ、
今日も二人が休み、ひとりは病院立ち寄りで遅刻し、ひとりは早退した。
全員がマスク着用。見た目には野戦病院と化している有様だ。
でもって、人員不足のため仕事が滞り、今日明日の残業と日曜日の出勤が決定。
悪循環とはこのことをいう。とんだことでこざいます(呆)


2016.04.22 アカデミー作品賞『スポットライト』を観て

先ず『スポットライト 世紀のスクープ』が面白い映画であることは間違いない。
批評ジャーナリズム全盛の時代に、調査ジャーナリズムの真髄を見せつけてくれる。
映画を観ていて思い出したのはウォーターゲート事件を暴いた『大統領の陰謀』だった。
あれはロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンが競演したスター映画で、
アラン・J・パクラというなかなか“デキる”監督の堅実でスピーティな演出と、
スター映画であることで一種のバディムービーの面白さも加味されていた。
その意味ではこの『スポットライト』も同じカテゴリーにある。
スクープを書き上げた記事が早朝に運ばれていく際の昂揚感と達成感。
オフィスに鳴り響く電話は勝利の証し。まるでスポーツ映画のようでもあった。
しかしこの題材を単にスクープ記事の視点のみで描いてよかったのだろうか。
相手はローマカソリック教会。敵のスケールはおそらく大統領の比ではないだろう。
映画も負けじと別視点のアプローチで巨悪を追求して見せるべきだったと思う。
別に記者の家族が脅迫されたり、自宅に銃弾が撃ち込まれるベタな描写は不要だが、
神の名の下に膨大な数の少年がレイプされた怒りが映画には欠落していたと思うのだ。
更に聖職者がなぜこのような犯罪に走るのか、その原罪も知りたいと思った。
この辺りにハリウッド映画の限界があるように思えたのは自分だけか。
なまじオスカーなど受賞したばっかりに要求のハードルが高くなったのは否めないが。


2016.04.23 またも脳内脚色を・・・・

映画の話が続く。
今朝は「午前十時の映画祭」で『恋におちて』を30年ぶりに再見。
例のベッキー騒動以来、またぞろ不倫が世間を騒がせているが、
もともと色恋沙汰の王道だ。『金曜日の妻たち』『失楽園』と定期的にブームが来る。
そのブームの先駆けとなったのが1985年公開の『恋におちて』だったと思う。
デ・二―ロとメリル・ストリープという結構な組合せで描く道ならぬ恋。
何度かの偶然が重なって、クリスマスの夜、本屋での“boy meets girl”から始まり、
互いに配偶者が居ながら、次第に惹かれ合い、逢瀬を繰り返すふたり。
最後の一線の一歩手前で踏みとどまりながら、恋はやがて葛藤となっていく。
稀代の名優同士の、もどかしげに途惑うピュアな芝居が何とも微笑ましい。
しかし恋は互いの配偶者に知られることになり、終わりを迎えることに。
一年後のクリスマス。あの本屋でふたりはまた偶然に再会する。
「メリークリスマス」。軽く言葉を交わしながら、それぞれの家族の元へ、
クリスマスの喧騒の中、マンハッタンの雑踏に姿を消していくふたり。
こうしてホロ苦い余韻を残しながら大人の恋物語は静かに幕を閉じていく・・・。
の、筈だった。自分は完全にそう記憶していた。
ところが一旦は別れたものの、デ・二―ロがストリープを追いかけはじめる。
ストリープもデ・二―ロの姿を探す。あれ?あれれれ?
最後は地下鉄でお互いを見つけ、駆け寄って抱擁。熱いキスを交わしてEND。
ウソ!この結末は自分が知っていたつもりの『恋におちて』とまるで違う。
本屋で本を取り違える場面など、わりとディティールは憶えていたのだが、
ラストシーンが自分の脳内にあった映像と180度違っていたのに心底驚き、
ちかえもんではないが、思わず座席で「え、えー?」と声が出てしまった。
思えば『ひまわり』でも勝手にマストロヤンニを死なせてしまったが、、、。
はっきり言おう、自分の脳内脚色の方が数倍はいい映画だ。


2016.04.24 日曜日

車に母を乗せて平塚の植物園まで行く。
母も80半ばで背も年々縮まって、遠目にはムーミンのミイに見える。
山野草の即売会で鉢を次々とレジに運ばされるのだが、
それらを買うのはいいとしても、あの庭はそう遠くない将来、誰が面倒みるのか。
いやいや今は考えまい。


2016.04.25 マイブーム“鬼平”

今、『鬼平犯科帳』にハマっている。
火付盗賊改方・長谷川平蔵のことは前も書いたかなと思い、検索してみる。
なんと去年の後半に鬼平で3回も「日めくり」を書いていた。
去年は「捕物帳」としての『鬼平犯科帳』がいかに画期的であるのかを書いた。
今は長谷川平蔵の人物の面白さ、家族や部下、密偵たちの個性も含め、
豊潤な江戸情緒と風俗、人情の機微などの『鬼平』の世界観に惹かれている。
もっぱら中村吉右衛門主演のテレビ時代劇とさいとうたかをの漫画。
漫画はコンビニ売りの厚い愛蔵版を一気に買って、狭い部屋に積んでいる。
これは再読が利くほどよく描き込まれているので処分出来なくて非常に困る。
さらに『鬼平』のラジオドラマや朗読をYouTubeから拾い、これがまたいい。
御府内八十八か所札所めぐりで平蔵ゆかりの寺院などに出くわす楽しみもある。
先日、衛星放送の「時代劇専門Ch」で吉右衛門主演の第一回目が放映された。
1989年ということで、28年も前になる。
『鬼平』にハマった途端、第一回が放送された偶然に少し感動しつつ、
28年前、自分は何をしていたのだろうかと手繰ってみる。
手繰る手段として映画とプロレスの日付つきのメモが役に立つのが有難い。
『鬼平』をきっかけに20代の頃の過去ログを辿るのも思わぬ副産物となった。
こんなマイブームを嬉々として享受する日々だが、ひとつ問題がある。
肝心の池波正太郎の原作を1ページも読んでいないということだ(汗)。


2016.04.26 バタバタ

このGW進行で仕事の持ち込みが多い時期。職場で病欠者が相次いでいる。
いつもは元気な警視庁OBたちも軒並みダウン。
インフルエンザだそうだ。
急遽、アルバイトを雇ったはいいが、彼らに仕事を教える人員が割かれる。
残った人員で残業、休日出勤をやると、その無理が祟って離脱者を出す。
どうも後手に回っている。後手に回ると挽回しようと仕事が粗くなる。
悪い循環の中でバタバタしながら、こちらは睡魔と格闘している毎日。
・・・睡魔と格闘しているのはいつものことなのだが。


2016.04.27 新井さん2000本安打達成

実際、神宮での新井さんはよく打っていた印象がある。
本音は昨日の阪神戦で地元広島でアニキ金本の目前で打ちたかったか。
新井を“さん”付けで呼ぶのは金本が新井を人前でいじるときの定番で、
いつしかファンにもそれが身についてしまった。
だから自分も“さん”付けで呼ぶ。
新井さんが1000安打目を打った2008年の4月。浜スタのスタンドにいた。
不思議な縁で、金本の2000本安打達成と同日だった。
肩を並べてのヒーローインタビューで、金本は「キモイです」と爆笑させる。
金本がいじり回したせいか、新井さんは阪神ファンからヤジの格好の標的となった。
実際、あのガタイなのでチャンスに凡退すると人一倍目立っていたが、
中心打者が叩かれるのは宿命とはいえ、阪神ファンも調子に乗っていたと思う。
しかし目前で2000本を達成していたら、スタンド総立ちで称えたに違いない。
今朝のスポーツ新聞はこんな見出しを打った。
“あの新井さんが・・・・・日本中の愛が詰まった2000安打”


2016.04.28 黒木華という天才

『リップヴァンウィンクルの花嫁』という映画は黒木華を抜きには語れない。
原作・脚本・監督の岩井俊二も黒木華にアテて物語を作ったのだろう。
ただし今は“映画女優”は完全に死語になっている。
早々に黒木華もテレビドラマに取り込まれているが、
絶対にテレビサイズの女優に収まって欲しくはない。
満島ひかり、安藤サクラ、二階堂ふみたちと並ぶ有望株だと思っているが、
園子温印とはまた違った究極の狂女を演じられるのが黒木華に違いない。
そしてまだ黒木華はそのすべてをさらけ出してはいない。
天才女優がすべてをさらけ出せる監督との出会いを心待ちとしよう。
もう一度いう、テレビサイズの役者だけにはなるな。


2016.04.29 とんだ残業?

昨日の話。仕事がアップアップで残業しなきゃなんねぇかと思っていたところ、
午後18時半頃、後輩たちがテレビをつけて野球にチャンネルを合わせてしまった。
画面には懐かしいギザギザの輝流ラインのユニフォーム姿。
甲子園球場の伝統の一戦。メッセンジャーと菅野の投げ合いだ。
ひと回り以上も年下の後輩たちには輝流ラインがよほど奇異に映るらしく、
あろうことか「ダッサいすね~」と来た。
そこまで言われ、しかも相手は連敗中の巨人。もう残業どころではない。
近所の中華屋で出前を頼み、あーでもねー、こーでもねーと観戦に興じる始末。
ところが坂本の3ランで先制された後、菅野に成すすべくもなく凡退の山。
試合の潮目が変わったのは、菅野から澤村にスイッチした土壇場の九回裏。
ゴメスのソロ本塁打を皮切りに、北條、江越、原口の若手で同点に持ち込んだ。
力投メッセの負けを消し、菅野の勝ちも消した。おしゃ、後はサヨナラを待つばかり。
結局、延長12回引分け。負け試合を引分けたとはいえ、流れはこっちに来ていた。
時計の針は22時を超え、アパートに帰った時は0時を回っている。やれやれだ。
ふと、やっつけで片付けた残業仕事が気になったのだが、それは考えまい。


2016.04.30 休日出勤と平日欠勤

京都、奈良の旅からから始まった4月。
東京ドームでの快勝にテンションあげ、そのまま職場に帰って徹夜仕事もした。
そのため体調を崩すも、仕事も詰まって残業、休日も出勤もした。
と思えば、医者に休めといわれて1日だけ仕事を休んだ。
おかしな言い方だが、休日出勤と平日欠勤はなかなか趣きがあった。
休日出勤の昼休みに弁当を買いに行くと弁当屋に見慣れない顔の売り子がいる。
おそらく週末シフトのパートさんなのだろう。
職場が入るマンションのエレベーターで見たこともない人とすれ違う。
そうかと思えば平日に地元の駅前に行くと、普段とまるで雰囲気が違う。
年寄りが多いのと、やたらと営業車が目につく。
休日に働いて、まるで自分だけが働いているのではないかとの錯覚に陥ることはないが、
平日に休むと、世の中から置いてけぼりされたような感覚は確実にある。
熊本で大きな地震災害があった今月。こんな個人的な感覚を書くのも気が引けるが、
相変わらず仕事が詰まって捗らない現実だけは如何ともし難い。

                           

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