◆三行の映画評

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アメリカン・アニマルズ
2019.05.17 イオンシネマ新百合ヶ丘 スクリーン5 AMERICAN ANIMALS [\1100/116分]
【46】2018年アメリカ=イギリス 監督:バート・レイトン 脚本:バート・レイトン
CAST:エヴァン・ピーターズ、バリー・コーガン、ブレイク・ジェナー、ジャレッド・アブラハムソン、ウォーレン・リプカ
●最高だと断言する。実際の強盗事件を実際の犯人自身が後述するケイパーものというスタイルも凄いが、見せ方のあまりのイメージの洪水に脳がクラクラした。とにかく「斬新」の一言だが、青春の一時期にある「とんでもない人生を拓きたい」幻想の馬鹿さ加減は実は普遍的であり、アメリカンニューシネマの懐かしさが匂うのも嬉しい。


バースデー・ワンダーランド
2019.05.11 イオンシネマ港北ニュータウン スクリーン8 [\1100/115分]
【45】2019年フジテレビ=電通=ワーナー 監督:原恵一 脚本:丸尾みほ
CAST:(声)松岡茉優、杏、麻生久美子、東山奈央、藤原啓治、矢島晶子、市村正親
●ラジオでの松岡茉優のハイテンションなプレゼンと原恵一作品ということで必要以上にハードルを上げてしまったか。確かに作画の美しさは目を引くものの、少女の異次元エリアスリップものとしても成長物語としてもあまりに味が薄かった。もしかすると原恵一は一定の制約の中で作家性が噴出するタイプのアニメ作家なのかも知れない。


JAWS ジョーズ
2019.05.04 TOHOシネマズ海老名 スクリーン8 JAWS [\1100/124分]
【44】1975年アメリカ 監督:スティーブン・スピルバーグ 脚本:ピーター・ベンチリー、カール・ゴッドリーブ
CAST:ロイ・シャイダー、ロバート・ショウ、リチャード・ドレイファス、ロレイン・ゲイリー、カール・ゴットリーブ
●令和になって一発目がJAWSとは・・・。客は居てもシーンとした午前十時のシネコンにいて、かつて悲鳴と笑いと最後は拍手で終わった熱気ムンムンの横浜ピカデリーで、ウハウハしながら画面に食い入った中学生の記憶を蘇らせていた。いや44年経っても面白さは変わらずで124分を一気に見せ切る。間違いなく昭和を代表する一本。
※1975年キネマ旬報ベストテン第10位


ハンターキラー 潜航せよ
2019.04.29 TOHOシネマズ上大岡 スクリーン8 HUNTER KILLER [\1100/122分]
【43】2019年アメリカ 監督:ドノヴァン・マーシュ 脚本:アーン・シュミット、ジェイミー・モス
CAST:ジェラルド・バトラー、ゲイリー・オールドマン、リンダ・カーデリーニ、コモン、ミカエル・ニクヴィスト
●潜水艦ものにハズレなしといわれる。閉鎖空間、緊迫、クルーの人間模様などの要素を押さえておけばそこそこの映画にはなる。ただ本作はそれら定番を踏まえながらも「お約束」を感じさせず最後まで突っ走る。特殊部隊による地上戦の迫力もあるが、マキノ任侠映画風「泣かせ」の余韻がいい。あまりの面白さにあっという間の122分。


アベンジャーズ/エンドゲーム
2019.04.29 TOHOシネマズ海老名 スクリーン1 AVENGERS: ENDGAME [\1100/182分]
【42】2019年アメリカ 監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ 脚本:クリストファー・マルクス、S・マクフィーリー
CAST:ロバート・ダウニーJr.、クリス・エヴァンス、マーク・ラファロ、クリス・ヘムズワース、スカーレット・ヨハンソン
●“MCU”なる用語を今年に入って知り、なんだかストーリーもアングルも知らないままWWEのプロレス会場に来てしまったような感覚で、スーパーマンやバットマンは他団体の所属であるのもわからないまま、3時間超えの長丁場に退屈して何度か腕時計を見てしまった。ド素人は引っ込んでろということか。でも映画ってそういうものなのか。


ガンマー第3号 宇宙大作戦
2019.04.26 国立映画アーカイブ 長瀬記念ホールOZU [\520/77分]
【41】1968年東映=アメリカ 監督:深作欣二 脚本:トム・ロー、金子武郎
CAST:ロバート・ホートン、リチャード・ジャッケル、ルチアナ・パルッツィ、バッド・ウイドム、テッド・ガンサー
●深作狂として劇場をとりこぼしていたのは気になっていたものの、内容は期待していなかった。というよりどんな珍品を拝まされるのかと身構えていたところ、意外と面白く観られた。いや珍品には違いないが、深作演出のテンポの良さと、『エイリアン』に先駆けた「おっ」という展開に、私の脳が特撮技術の稚拙さを勝手に修整してくれた。


世界大戦争
2019.04.20-21 新文芸座 [\2100/110分]
【40】1961年東宝 監督:松林宗恵 特技監督:円谷英二 脚本:八住利雄、馬淵薫
CAST:フランキー堺、宝田明、乙羽信子、星由里子、山村聰、笠智衆、東野英治郎、ジェリー藤尾、上原謙、中村伸郎
●単純に私の生まれ年の都心の風景が面白かったこと。高度成長に向かう当時の日本人の戦争に対する気分と反比例する世界情勢。冷戦状態が決壊して戦争に突入する際の日本政府の無力感など、普段は悪口として用いる「資料的価値」という言葉が重い意味を持つ。国家と個人のコントラスト、終末の無常感。かなりの問題作ではなかったか。


宇宙大戦争
2019.04.20-21 新文芸座 [\ 〃 /93分]
【39】1959年東宝 監督:本多猪四郎 特技監督:円谷英二 脚本:関沢新一
CAST:池部良、安西郷子、千田是也、土屋嘉男、伊藤久哉、高田稔、ジョージ・ワイマン、レオナルド・スタンフォード
●もしや日本映画が初めて挑戦した本格的な宇宙バトルか。そこまで円谷英二のファンではない私には、アポロ11号に先駆けての月面着陸に挑戦したのはいいが、60年前の技術の稚拙さ、造形の安易さ、調査不足はやはり気になった。ただ東宝特撮の定番たる伊福部昭のスタンダードテーマがすでに使われていたのは驚く。本物のクラシックだ。


海底軍艦
2019.04.20-21 新文芸座 [\ 〃 /94分]
【38】1963年東宝 監督:本多猪四郎 特技監督:円谷英二 脚本:関沢新一
CAST:高島忠夫、藤山陽子、小泉博、上原謙、藤木悠、佐原健二、田崎潤、小林哲子、天本英世、平田昭彦、藤田進
●田崎潤史上のベストアクトと思える号令に、伊福部昭史上でも稀代の名曲に乗って出撃する海底軍艦「轟天」。40年前に旧文芸坐で観たときはムウ帝国のキッチュさととってつけたマンダの登場でやや鼻白んでいたが、轟天がムウ帝国を圧倒的な破壊力で粉砕してしまうイケイケ感が気持ち良く、滅びゆく一族の悲哀が漂う余韻も印象深い。


妖星ゴラス
2019.04.20-21 新文芸座 [\ 〃 /88分]
【37】1962年東宝 監督:本多猪四郎 特技監督:円谷英二 脚本:木村武
CAST:池部良、久保明、白川由美、水野久美、志村喬、佐原健二、平田昭彦、田崎潤、小沢栄太郎、西村晃、上原謙
●子供の頃に白黒テレビで見たのだと思うけど、何故だか燃え滾るゴラスの赤色が脳裏に焼きついていた。衝突を避けるため地球を移動させるという正に「奇想、天を動かす」アイデアは現実的とは思えないが、本気でSFスペクタクルを仕上げるのだという意欲は伝わる。今度は北極のジェット噴射で地球の軌道を戻す悪戦苦闘が見たいものだ。


愛がなんだ
2019.04.19 イオンシネマ新百合ヶ丘 スクリーン2 [\1100/123分]
【36】2019年製作実行委員会=エレファントハウス 監督:今泉力哉 脚本:澤井香織、今泉力哉
CAST:岸井ゆきの、成田凌、深川麻衣、若葉竜也、穂志もえか、中島歩、片岡礼子、筒井真理子、江口のりこ
●面白かった。不思議ちゃん、不気味ちゃんたちに共感はしずらかったが、愛とは何かと問うのではなく投げ出しながら所詮は堂々めぐり。仕事を放ってまでマモちゃんへと驀進するテルコのジタバタぶりを苦々しく思いながら、長回しで浮かび上がる岸井ゆきのと成田凌のリアルが絶妙な緊張感が心地よかった。この監督、相当にデキると見た。


多十郎殉愛記
2019.04.14 イオンシネマ新百合ヶ丘 スクリーン5 [\1100/93分]
【35】2019年製作実行委員会=よしもと=東映 監督:中島貞夫 脚本:中島貞夫、谷慶子
CAST:高良健吾、多部未華子、木村了、三島ゆり子、栗塚旭、山本千尋、福本清三、野口貴史、永瀬正敏、寺島進
●「こんな男になんで・・・」「こんな女だからよ」。期待にたがわぬ展開に復活・中島貞夫にどれだけの賛辞を捧げようか思い巡らせていたものの、カタルシス皆無の殺陣で明らかに失速した。京撮は支配しても中島貞夫はそもそもチャンバラの人だったか。高良と多部の佇まいは文句無しだが、京撮が主役となってしまったのは残念すぎた。


名探偵コナン/紺青の拳 (こんじょうのフィスト)
2019.04.12 イオンシネマ新百合ヶ丘 スクリーン2 [\1100/130分]
【34】2019年東宝=小学館=日テレ 監督:永岡智佳 脚本:大倉崇裕
CAST:(声)高山みなみ、山口勝平、檜山修之、松井菜桜子、山崎育三郎、河北麻友子、山崎和佳奈、小山力也、林原めぐみ
●うーん、、、、今回のコナンは面白くなかった。京極真という格闘キャラが場違いだったのか、コナンのスケボーの疾走感がなかったからか、怪盗キッドの極端な俗化のせいなのか、シンガポール・ロケ(?)がハマらなかったのか、まぁそのどれかに違いない。ただクライマックスのタンカー激突の盛り上がりの弱さは大いに指摘しておく。


ブラック・クランズマン
2019.04.07 イオンシネマ新百合ヶ丘 スクリーン3 BLACKKKLANSMAN [\1100/135分]
【33】2018年アメリカ 監督・脚本:スパイク・リー 脚本:チャーリー・ワクテル、D・ラビノウィッツ、K・ウィルモット他
CAST:ジョン・デビッド・ワシントン、アダム・ドライバー、ローラ・ハリアー、トファー・グレイス、ヤスペル・ペーコネン
●一端の映画通を気取りつつ、劇場初のスパイク・リーは聞きしに勝るインパクトだった。潜入捜査ものでドキドキさせ、観客にコンゲーム的なカタルシスを与えつつ、大島渚の黒い日の丸ばりの黒い星条旗を掲げて見せる。そしてエンターティメントをバッサリ否定する着地。それらすべてを含めても映画的面白さに満ち溢れている。さすが。


未知との遭遇 ―ファイナル・カット版
2019.04.07 TOHOシネマズ海老名 スクリーン8 CLOSE ENCOUNTERS OF THE THIRD KIND [\1100/138分]
【32】1977年アメリカ 監督:スティーブン・スピルバーグ 脚本:スティーブン・スピルバーグ
CAST:リチャード・ドレイファス、フランソワ・トリュフォー、テリー・ガー、メリンダ・ディロン、ボブ・バラバン
●クライマックスの驚愕と陶酔感。もちろんテアトル東京の巨大シネラマには及ぶべくもないが、まだCGなどなかった時代に高校生で味わった感覚を41年後に享受することの歓び。さらに今回はクライマックスまで積み上げたプロットも秀逸で、ミステリーとサスペンスでハラハラさせていることも確認。トリュフォーの存在感を含めて感服した。
※1978年キネマ旬報ベストテン第4位


岬の兄妹
2019.03.17 イオンシネマ新百合ヶ丘 スクリーン6  [\0/89分]
【31】2018年プレシディオ 監督:片山慎三 脚本:片山慎三
CAST:松浦祐也、和田光沙、北山雅康、岩谷健司、中村祐太郎、風祭ゆき、時任亜弓、ナガセケイ、松澤匠、芹澤興人
●妊娠した妹の腹めがけ石の塊を叩きつけんとする兄。この男にそんな勇気はないと思いつつ、この映画の文脈ならやりかねないとの不安。夢も希望もなく、前衛も抽象もなく、作為すらも感じさせず、ただ底辺を這いまわる兄と妹。しかしはっきりマグマのような鼓動を感じるのは、映画が悉く禁忌を蹴散らして見せる躊躇のなさにあるのか。


グリーンブック
2019.03.17 イオンシネマ新百合ヶ丘 スクリーン3 GREEN BOOK [\1100/116分]
【30】2018年アメリカ 監督:ピーター・ファレリー 脚本:ニック・バレロンガ 、ブライアン・カリー、ピーター・ファレリー
CAST:ヴィゴ・モーテンセン、マハーシャラ・アリ、リンダ・カーデリーニ、ディミテル・D・マリノフ
●平たくいえば凸凹バディの“自分探し”ロードムービーとして、善良な観客が期待する展開に真っ当に応えながらアメリカ南部を横断していく映画。少々照れる場面もあったが、この真っ当さはきちんとエンタティメントになっている。白眉は黒人酒場でシャリーが奏でるショパンからのジャムセッション。ミュージシャンはこれがあるから強い。


狼たちの午後
2019.03.17 TOHOシネマズ海老名 スクリーン7 DOG DAY AFTERNOON [\1100/125分]
【29】1975年アメリカ 監督:シドニー・ルメット 脚本:フランク・R・ピアソン
CAST:アル・パチーノ、ジョン・カザール、チャールズ・ダーニング、ペニー・アレン、クリス・サランドン
●中学卒業したての春に観てからずっと、最後はパチーノも射殺されたのだと思い込んでいた。私の中の記憶を変えてまで主人公は死ななければならなかったのか。それがニューシネマを引き摺るアメリカ映画の落とし所だった。今のハリウッドなら警官の包囲網から脱出するエンタメにしてしまうのか。あゝ70年代ニューヨークの空気の愛しさ。
※1976年キネマ旬報ベストテン第5位


運び屋
2019.03.09 イオンシネマ港北ニュータウン スクリーン9 THE MULE [\1100/116分]
【28】2018年アメリカ 監督:クリント・イーストウッド 脚本:ニック・シェンク
CAST:クリント・イーストウッド、ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン、ダイアン・ウィースト
●『グラン・トリノ』でヒーローを総括してみせ、ほぼ神のレベルまで昇ってしまったイーストウッドが、生身の人生の贖罪と安らぎを追い求めてハイウェイを疾走する。またしても彼にしか撮れない・演じられない唯一無二の領域に挑んだのか。痩せさらばえ、赤裸々にダメ人間ぶりを自虐しながら、依然イーストウッドであることの恰好良さよ。


大統領の陰謀
2019.03.09 TOHOシネマズ海老名 スクリーン7 ALL THE PRESIDENT'S MEN [\1100/138分]
【27】1976年アメリカ 監督:アラン・J・パクラ 脚本:ウィリアム・ゴールドマン
CAST:ダスティン・ホフマン、ロバート・レッドフォード、ジャック・ウォーデン、マーティン・バルサム、ジェイソン・ロバーズ
●言うに及ばず脚本がいい、パクラの演出もいい。しかし個人情報や喫煙環境の緩さに感嘆しつつも二人の取材内容が把握出来なかったのは高校生のときと同じという情けなさ。それでもタイプを打つ音の小気味よさの中、ホフマンとレッドフォードがひとつの画に収まっている図は惚れ惚れとさせるものがあり、まったく飽きることはなかった。
※1976年キネマ旬報ベストテン第10位


サッドヒルを掘り返せ
2019.03.08 シネマカリテ SAD HILL UNEARTHED [\1500/87分]
【26】2018年スペイン 監督:ギレルモ・デ・オリベイラ (ドキュメンタリー)
CAST:エンニオ・モリコーネ、クリント・イーストウッド、クリストファー・フレイリング、ジェームズ・ヘッドフィールド
●私にとってだけ永遠の名作だと思っていた映画を世界中でこんなに愛していた奴らがいた。聖地巡礼などではなく、掘り起こすのでもない。そう彼らは文字通り“掘り返して”見せたのだ。熱い、熱すぎる。私などまだまだで、それを思い知らされて茫然とした。モリコーネやイーストウッドがあの映画を振り返ってくれた瞬間、涙が出た。


THE GUILTY ギルティ
2019.03.06 新宿武蔵野館 スクリーン1 DEN SKYLDIGE [\1000/88分]
【25】2018年デンマーク 監督:グスタフ・モーラー 脚本:エミール・ナイガード・アルベルトセン、グスタフ・モーラー
CAST:ヤコブ・セーダーグレン、イェシカ・ディナウエ、ヨハン・オルセン、オマール・シャガウィー
●“聴覚”というキーワードで語られる映画だが、音だけで事件を創造する点では音響技術が優秀なラジオドラマのレベルに過ぎない。むしろイヤホンマイクから事件と対峙するアズガーの焦燥に彼自身の切羽詰まった背景を読み取る“視覚”を凝らすと、俄然、通報司令室の閉鎖性がヒリヒリと痛み出す。そう映画は視覚の産物なのだから。


翔んで埼玉
2019.03.03 TOHOシネマズ海老名 スクリーン2 [\0/106分]
【24】2019年フジテレビ=東映=テレビ埼玉 監督:武内英樹 脚本:徳永友一
CAST:二階堂ふみ、GACKT、伊勢谷友介、ブラザートム、麻生久美子、中尾彬、間宮祥太朗、加藤諒、麿赤兒、京本政樹
●二階堂ふみの小芝居でも見てやるかと思っていたら、豈図らんや気持ち良く映画館を出た。埼玉のことは良く知っているので「ディスり」「あるある」のネタがいちいち面白いのだが、案外、茶番に仮託された壮大な地域紛争、階級闘争を描きながら、地元愛に収斂していく物語なのかもしれない。なんて書いてしまったらそれこそギャグか。


アリータ:バトル・エンジェル
2019.02.25 TOHOシネマズ海老名 スクリーン2 ALITA: BATTLE ANGEL [\1100/122分]
【23】2018年アメリカ 監督:ロバート・ロドリゲス 脚本:ジェームズ・キャメロン、L・カログリディス、R・ロドリゲス
CAST:ローサ・サラザール、クリストフ・ワルツイド、キーアン・ジョンソン、ジェニファー・コネリー、マハーシャラ・アリ
●どうせロドリゲスの映画を観るなら頭カラっぽで楽しむかと高を括っていたら、少女から戦士に豹変するアリータのカッコ良さにハマってしまった。やはりキャメロンブランドだったということか。確かに後半から内容を詰め込みすぎて拙速気味ではあるし、矢継ぎ早のCGバトルに食傷しないこともなかったが、122分、十分な見応えだった。


ビール・ストリートの恋人たち
2019.02.23 TOHOシネマズ海老名 スクリーン10 IF BEALE STREET COULD TALK [\1300/119分]
【22】2018年アメリカ 監督:バリー・ジェンキンス 脚本:バリー・ジェンキンス
CAST:キキ・レイン、テファン・ジェームス、レジ―ナ・キング、コールマン・ドミンゴ、マイケル・ビーチ、ディエゴ・ルナ
●黒人たちの恋愛映画となるとこうなってしまうのかと溜息が出る。試練を乗り越える愛を描いたのか、試練に呑みこまれる愛を描いたのかわからないまま幕を閉じてしまうのは、きっと大団円には納まれない現実があるのだろう。ティッシュがあまりに健気だったのでファニーに自由が訪れるのを心待ちしていた分だけ、後味はホロ苦かったか。


半世界
2019.02.23 TOHOシネマズ海老名 スクリーン10 [\0/119分]
【21】2019年キノフィルムズ 監督:阪本順治 脚本:阪本順治
CAST:稲垣吾郎、長谷川博己、渋川清彦、池脇千鶴、竹内都子、杉田雷麟、信太昌之、堀部圭亮、小野武彦、石橋蓮司
●厳しいが爽やかでもあり、シビアだが優しくもある。阪本順治は世界と世間との狭間を二等辺三角形で相対化してみせたのか。その三角形の写真にピース缶、一見しょーもないダチ同士のタイムカプセルが、彼らほどの友情に恵まれぬ身にはなんとも羨ましかった。それにしても阪本よ、最後の留守電は卑怯すぎる(涙)。早くも今年ベスト級。


女王陛下のお気に入り
2019.02.18 TOHOシネマズ新宿 スクリーン8 THE FAVOURITE [\1100/120分]
【20】2018年アイルランド=イギリス=アメリカ 監督:ヨルゴス・ランティモス 脚本:デボラ・デイビス、T・マクナマラ
CAST:オリビア・コールマン、エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ、ニコラス・ホルト、ジェームズ・スミス
●侍女が豪華絢爛な王宮美術の中を「FUCK!FUCK!」と毒づきながら罷り歩く映画。アン女王、サラ、アビゲイルとエキセントリックな人物しか見つからないのだが、喜劇になる一歩手前で凄まじくも虚飾に彩られた“女の学校”だと思った。権力にとり憑かれながら目先の意地が火花を散らす様に、男は慄きながら楽しく観るしかないのだろう。


七つの会議
2019.02.17 TOHOシネマズ海老名 スクリーン8 [\0/119分]
【19】2019年東宝=TBS 監督:福澤克雄 脚本:丑尾健太郎、李正美
CAST:野村萬斎、香川照之、及川光博、片岡愛之助、藤森慎吾、朝倉あき、立川談春、鹿賀丈史、橋爪功、北大路欣也
●役者たちの大芝居だけが見どころで内容がメタメタ。もうテレビ屋に映画を撮らすな!とTBS日曜劇場の既視感に堪えられず何度も途中退席が頭を過った。ところが館内は満杯、隣に座っていたカップルは「面白かったね」などと話している。私の方に問題があるのか?とてもスクリーンで観るレベルとは思えない。・・・タダで観ておいてなんだが。


パルプ・フィクション
2019.02.17 TOHOシネマズ海老名 スクリーン7 PULP FICTION [\1100/154分]
【18】1994年アメリカ 監督:クエンティン・タランティーノ 脚本:クエンティン・タランティーノ
CAST:ジョン・トラボルタ、サミュエル・L・ジャクソン、ユマ・サーマン、ハーベイ・カイテル、ブルース・ウィリス
●ビデオで観て即サントラ盤を買った。驚くのはもう四半世紀が過ぎていたということか。当時、世界中を驚かせたタランティーノの斬新な作劇はその影響力ですっかり手垢がついた感があるが、25年前に立ち返らせて、その時代の空気でスタイリッシュな瑞々しさを堪能することが出来た。今まで私の観賞録になかったことが問題だったのだ。
※1994年キネマ旬報ベストテン第4位


ファースト・マン
2019.02.15 イオンシネマ新百合ヶ丘 スクリーン9 FIRST MAN [\1100/141分]
【17】2018年アメリカ 監督:デイミアン・チャゼル 脚本:ジョシュ・シンガー
CAST:ライアン・ゴズリング、クレア・フォイ、ジェイソン・クラーク、カイル・チャンドラー、コリー・ストール
●人類初の月面着陸、偉業を達成したNASAの技術人、英雄を支えた家族と、いくらでも彼らの功績を謳い上げることは出来ただろう。しかし映画のトーンは暗く、主人公はどこか冷めた風でもある。これが80年代生まれの監督・主演コンビの、当時の熱狂と興奮を知る世代への回答だとしたら相当のギャップではある。正直、面白くはなかった。


赤い雪 Red Snow
2019.02.05 テアトル新宿 [\1000/106分]
【16】2019年製作委員会=アークエンタテインメント 監督:甲斐さやか 脚本:甲斐さやか
CAST:永瀬正敏、菜葉菜、井浦新、佐藤浩市、夏川結衣、吉澤健、坂本長利、眞島秀和、紺野千春、イモトアヤコ
●雪と朱のコントラストに蠢く人間たち。どこまでも暗く陰惨な物語は全然アリだが、ロジックは案外真っ当で、取り戻される記憶でさらに主人公が絶望の淵に追い込まれていく様に妙に腑に落ちるものがあった。ただ匿名性の中の陰鬱さに浸りたかったので、有名俳優が出るとそこに安心感が生じ、興が削がれてしまうのは仕方なかったのか。


ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ <ディレクターズ・カット>
2019.02.03 TOHOシネマズ海老名 ONCE UPON A TIME IN AMERICA [\1100/251分]
【15】1984年アメリカ=イタリア 監督:セルジオ・レオーネ 脚本:S・レオーネ、L・ベンヴェヌーティ、P・D・ベルナルディ、E・メディオーリ
CAST:ロバート・デ・ニーロ、ジェームズ・ウッズ、エリザベス・マクガヴァン、ジョー・ペシ、ジェニファー・コネリー
●ギャングたちの自滅劇ではあるのだが、流れた血の多寡で国の歴史が作られるなら、ヌードルスの刹那的な欲望と殺戮のフラッシュバックも一片の叙事詩となる。そして邂逅の果て、若き日の己れは笑っていたのだ。レオーネとモリコーネ。私の人生の大半を神として君臨し続けた二人が壮大に奏でる4時間11分。「至福」の言葉こそ相応しい。
※1984年キネマ旬報ベストテン第1位


十二人の死にたい子どもたち
2019.02.01 新宿ブルグ9 シアター4 [\1100/118分]
【14】2019年製作委員会=日本テレビ 監督:堤幸彦 脚本:倉持裕
CAST:杉咲花、新田真剣佑、北村匠海、高杉真宙、黒島結菜、橋本環奈、吉川愛、萩原利久、渕野右登、坂東龍汰、古川琴音
●黒装束の行進など、いつもの堤幸彦の薄っぺらな演出に失笑を禁じえないものの、若い俳優たちの熱がそれなりに伝わって飽きることはなかった。冲方丁はこんな話も書くのかと驚くが、それなりに原作は面白いのだろう。ただ十二人揃えなければならないお約束があるとも思えず、推理ものとして後出しジャンケンが多すぎたのは残念だ。


日の名残り
2019.01.26 TOHOシネマズ海老名 スクリーン6 THE REMAINS OF THE DAY [\1100/134分]
【13】1993年アメリカ 監督:ジェームズ・アイヴォリー 脚本:ルース・プラヴァー・ジャブヴァーラ
CAST:アンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソン、ジェームズ・フォックス、クリストファー・リーヴ、ヒュー・グラント
●原作を読んでいないのでカズオイシグロの世界観は言及できないし、大英帝国に親ドイツの勢力があったことも知らなかった。しかし映画はお構いなくある執事の厳格なストイズムを描く。ここまで抑制することで誰かが得をするはずもないが、恋心を最後まで封印しながらも零れていく感情。映画だけが描きえる大人の機微ではなかったか。
※1994年キネマ旬報ベストテン第7位


ひかりの歌
2019.01.22 ユーロスペース [\1200/153分]
【12】2017年 Genuine Light Pictures 監督:杉田協士 脚本:杉田協士
CAST:北村美岬、伊東茄那、笠島智、並木愛枝、廣末哲万、日髙啓介、金子岳憲、松本勝、西田夏奈子、渡辺拓真、深井順子
●抑制から放たれる映画表現の自由―。憑き物が落ちるある瞬間まで、とてつもない傑作なのではないかと前のめりに観ていたが、ふとこの映画が抑制と自由そのものに縛られているのではないかと疑念が生じたとき、153分の長さが気になった。貴重な映像体験だったが、つくづく映画とは作為の産物であることを逆に思い知らされた。


マスカレード・ホテル
2019.01.21 TOHOシネマズ海老名 スクリーン1 [\1100/133分]
【11】2019年フジテレビ=集英社=ジェイストーム=東宝 監督:鈴木雅之 脚本:岡田道尚
CAST:木村拓哉、長澤まさみ、小日向文世、梶原善、渡部篤郎、前田敦子、石橋凌、菜々緒、生瀬勝久、濱田岳、松たか子
●賑やかな顔ぶれにそれなりのスケール感と、豪華な装飾を施しているだが、どんどん月9サイズになっていくのは止められないのか。キムタクと長澤まさみのコンビに文句はないが、結局はテレビ屋のフィールドワークの内であって映画の呼吸ではない。唯一、松たか子が映画女優をやっていたのが救いか。もっと腰を据えて事件を描くべきだ。


蜘蛛の巣を払う女
2019.01.14 TOHOシネマズ海老名 スクリーン10 THE GIRL IN THE SPIDER'S WEB [\1100/115分]
【10】2018年イギリス=ドイツ=スウェーデン=カナダ=アメリカ 監督:フェデ・アルバレス 脚本:ジェイ・バス、F・アルバレス、S・ナイト
CAST:クレア・フォイ、シルヴィア・フークス、スベリル・グドナソン、ラキース・スタンフィールド、シルビア・フークス
●D・フィンチャーが『ミレミアム』3部作を順次製作するものだと思いきや、いきなり未読の4作目に飛んでしまった。シリーズを重ねるたび主人公が無敵化していくのはよくあることだが、原作を飛ばして一気にリスベットは超人になってしまった。そんなスーパーヒロインと主演女優の華奢な肉体のギャップが残念な結果をもたらしたようだ。


クリード 炎の宿敵
2019.01.14 TOHOシネマズ海老名 スクリーン5 CREED Ⅱ [\1100/130分]
【09】2018年アメリカ 監督:スティーブン・ケイプルJr. 脚本:シルベスター・スタローン、ジュエル・テイラー
CAST:マイケル・B・ジョーダン、シルベスター・スタローン、テッサ・トンプソン、フィリシア・ラシャド、ドルフ・ラングレン
●スピンオフとの紹介がもはや違和感でしかなくなった『クリード』の強いブランド力を再認識。それでも前作は青春映画の良作とは思ったものの、世代的にロッキー・バルモアへの郷愁が拭えるものではなかった。今回は素直にアドニス・グリードの妻と母に支えられてこその物語に感銘。ラストのアポロの墓前に孫を見せに行く場面には落涙した。


喜望峰の風に乗せて
2019.01.12 TOHOシネマズららぽーと横浜 スクリーン9 THE MERCY [\1300/101分]
【08】2018年イギリス 監督:ジェームズ・マーシュ 脚本:スコット・Z・バーンズ
CAST:コリン・ファース、レイチェル・ワイズ、デヴィッド・シューリス、ケン・ストット、ジョナサン・ベイリー
●コリン・ファースへの信頼だけで一切の予備知識なしで観た。ポスターのイメージと「実話」と断りを受けての序盤から海洋冒険ものかと思いきや、次第に救いのない方向へ漂流していく。栄光から失望、そして絶望の波間に翻弄される家族が哀しい。C・ファースは申し分なかったが、先に内容を知っていたら辛くて観に行っていたかどうか。


ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
2019.01.05-06 新文芸坐 [\2100/105分]
【07】2001年東宝 監督:金子修介 脚本:長谷川圭一、横谷昌宏、金子修介
CAST:新山千春、宇崎竜童、小林正寛、天本英世、佐野史郎、南果歩、大和田伸也、村井国夫、中村嘉葎雄、津川雅彦
●個人的に『シン・ゴジラ』より面白かった。ガメラと比べヒロイックなイメージに程遠いゴジラを絶対悪として描き、キングギドラ、モスラ、バラゴンにガメラの役割を与えた金子修介。その人選?はともかく日本の古い伝承に防衛軍の誇りを加味して、国難に立ち向かう父娘に焦点を当てていく。これを18年間放置していた無知を恥じる。


怪獣総進撃
2019.01.05-06 新文芸坐 [\ 〃 /89分]
【06】1968年東宝 監督:本多猪四郎 脚本:馬淵薫、本多猪四郎
CAST:久保明、小林夕岐子、愛京子、佐原健二、伊藤久哉、田崎潤、黒部進、土屋嘉男、アンドリュー・ヒューズ
●私は7歳の時、既にゴジラシリーズの堕落と終焉を見切っていた。在庫一斉処分的な怪獣アイランドのくだらなさを以て長年に渡り「ゴジラは第一作を除いてすべて駄作だ」と主張するに至るのだが、その象徴がこの『怪獣総進撃』。11大怪獣勢揃いの趣向は友達からも評判が悪かったし、案の定50年経っても子供だましに睡魔と闘っていた。


フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ
2019.01.05-06 新文芸坐 THE WAR OF THE GARGANTUAS [\ 〃 /88分]
【05】1966年東宝=アメリカ 監督:本多猪四郎 特技監督:円谷英二 脚本:馬淵薫、本多猪四郎
CAST:ラス・タンブリン、水野久美、佐原健二、田崎潤、中村伸郎、伊藤久哉、田島義文、桐野洋雄、関田裕、中島春雄
●羽田に上陸したガイラが女性を食いちぎり日差しに慄いて海に飛び込む場面。親戚を前に物真似を披露して笑わせたものだ。同時に5歳の私にガイラの兇暴さは強いトラウマを残し、夜の海を見るのが怖かった。浪人時代にここ文芸坐で再会して以来だが、今は伊福部昭の音楽とともに生涯絶対に忘れてはならない大事な一本となっている。


フランケンシュタイン対地底怪獣<バラゴン>
2019.01.05-06 新文芸坐 FRANKENSTEIN VS.BARAGON [\ 〃 /94分]
【04】1965年東宝=アメリカ 監督:本多猪四郎 特技監督:円谷英二 脚本:馬淵薫
CAST:ニック・アダムス、水野久美、高島忠夫、土屋嘉男、古畑弘二、田崎潤、藤田進、志村喬、中村伸郎、佐原健二
●小学生のときにテレビで見て以来にもかかわらず、殆どの場面を記憶していた。もちろん怪獣映画のフォーマットで進行するものの、大人が見ていられるプロットがしっかりしていたし、戦後の情緒を引き摺りながらも高度成長に入っていく時代も的確に捉えている。子供心にそんな作品の背骨を理解し、映画好きの血となり肉となったのだ。


チャンス
2019.01.05 TOHOシネマズ海老名 スクリーン7 BEING THERE [\1100/130分]
【03】1979年アメリカ 監督:ハル・アシュビー 脚本:ジャージ・コジンスキー
CAST:ピーター・セラーズ、シャーリー・マクレーン、メルヴィン・ダグラス、ジャック・ウォーデン、ルース・アタウェイ
●封切時から違和感はあったのだが、齢が進み偏屈になってくると、チャンスの無垢で無知だが遠慮のなさに露骨に不快感が湧いてくる。多分、そんな人物に潜在的な嫌悪感を抱いているのだろう。こういう前提ではこの映画は楽しめない。残念。そういえば、そこまでやるか!?というシャリー・マクレーンの熱演に憐れさも感じていたっけ。
※1981年キネマ旬報ベストテン第7位


パリの恋人
2019.01.02 TOHOシネマズ海老名 スクリーン4 FUNNY FACE [\1100/103分]
【02】1957年アメリカ 監督:スタンリー・ドーネン 脚本:レナード・ガーシュ
CAST:オードリー・ヘプバーン、フレッド・アステア、ケイ・トムスン、ミシェル・オークレール、ロバート・フレミング
●当たり前のことだが、私が生まれる4年も前から流行やファッションは世界中を駆け巡っていて、オードリーとジバンシーのコンビはその最先端にいたのだろう。そんなオードリーがパリを舞台にアステアと恋に落ち、歌にダンスに脳天気だが夢一杯だ。アステア相手に踊るオードリーに遜色がないのは、幼い頃からバレエに励んできた賜物か。


アリー/スター誕生
2019.01.01 TOHOシネマズららぽーと横浜 スクリーン4 A STAR IS BORN [\1100/136分]
【01】2018年アメリカ 監督:ブラッドリー・クーパー 脚本:エリック・ロス、ウィル・ヘッターズ、ブラッドリー・クーパー
CAST:レディ・ガガ、ブラッドリー・クーパー、アンドリュー・ダイス・クレイ、サム・エリオット、デイヴ・シャベル
●もとよりクラシックな悲劇ストーリーなので、ロックのビートで上がっていくカタルシスは望むべくもないが、それを承知でもレディ・ガガの熱演は圧巻だったし、B・クーパーの才能は予想をはるかに超えた。恋愛映画としても音楽映画としても優れていたのはもちろん、息を呑むライブデュエットで二人の濃密な時間を見せたのが素晴らしい。


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