■2009.01

日めくり 2009年01月(平成21年)         


2009.01.01 丑

同じく丑年の友人からの年賀状は「干支マラソンで周回遅れの気分」という内容。
まったくもって同感なので、何となくひと回り下の丑年生まれを調べてみる。
稲垣吾郎、堺雅人、セーム・シュルト、反町隆史、市川染五郎。
この年頃の男たちは、若手から中堅への過渡期で大人の色気が見え始める頃か。
ありゃ……イチローがいた!
周回遅れもなにも同じコースを走っている気はしない。


2009.01.02 飲めないので食った食った

年老いた両親を乗せていたのでギリギリ制限速度は守っていたが、
久々に走った首都高湾岸線は気持ちよかった。
お台場、羽田エアポート、ベイブリッジ、MM21のイルミネーションをすっ飛ばす快感。
頭の中では勝手にステッペン・ウルフやディープ・パープルが鳴り響く。
それにしても十数年ぶりに参加した親戚の年始会では、
従弟のNちゃんが昔とまったく変らない姿で鎮座していたことに驚いたが、
よくよく見るとNちゃんの息子君だったというお粗末もあったりしながら、
いかにもフツーの日本の正月休みを満喫させてもらった。


2009.01.03 Mother

スプリングの軋む音と、得もいえぬ埃くささに熟睡できなかった気がする。
もはや物置小屋と化していた実家の自室で目を醒ました。
朝、冬の空気を吸おうと玄関を開けると隣の家の旦那さんと目が合う。
その途端、奥から母親の声。
「ちゃんと、新年の挨拶しなさい」
もう丸聞こえ……勘弁してちょーだいな。


2009.01.04 恒例行事

かつては1月4日といえば新日本プロレスの東京ドーム大会を観戦していた。
記録を見て驚いたのが、1992年から2004年まで12年連続で参戦している。
今日もドームでプロレスをやっていたのだが、結果すら気にしなくなってしまった。
こうして恒例行事なんてものはいつの日か抜け落ちていくものなのだが、
休暇明け前夜にただっ子のように、「いやいや」したい気分だけは、
小学校のときからの恒例になっているのが情けない。


2009.01.05 新宿

仕事始めにしこたま飲んだ。
この歳になって「飲まされた」と書くのはいささか情けないので、
あくまでも「飲んだ」としておきたい。
どうやら酔うと必ず新宿界隈をふらつく癖がついてしまったようで、
とくに用があるわけでもないのだが、新宿に途中下車してしまう。
この街には十代の頃から若さゆえの恥を散々と見られてきているので、
今さら恰好つける必要もない。
建物も人も変ったが、私は新宿の雑踏が好きだ。


2009.01.06 正月呆け

寝正月を決め込んで、その通りに過ごしたのはよいとしても、
正月呆けがなかなか抜けない。とにかく眠い。
いつでも布団があれば5分以内に眠れる自信がある。
それに確実に胃がでかくなってしまったのか、
夕方には猛烈な空腹に見舞われて困っている。
食っては寝ての繰り返しだったので当然といえば当然か。


2009.01.07 ようやくゴミ回収日

「○市指定」のごみ袋を市内のスーパーやコンビニで買わなければならない。
20リットルのごみ袋三つはもったいないので、無理やり40リットル1枚に詰め替える。
最後は体重かけて押しつぶし、取っ手はビニールをちぎれる寸前まで延ばして結んでと。
なんて作業を朝からチマチマとやっていたわけだが、
この【日めくり】も9月、10月頃と比べると随分ノー天気になってきた気がする。


2009.01.08 タキタ

この時期になるとキネマ旬報、日本アカデミー賞など、続々と映画賞が発表される。
形勢はどうやら『おくりびと』の独占といった様相だが、
あの『痴漢電車』シリーズのタキタがなぁ〜という感慨が湧いてくる。
今度、久々にヨコハマ映画祭で『おくりびと』をじっくり観賞しようかと思う。
同映画祭で滝田洋二郎の『コミック雑誌なんかいらない』を観てすでに23年が経つ。
個人的には『タイムアバンチュール/絶頂5秒前』が最高だと思っているのだが(笑)。


2009.01.09 歌

今年に入って、全然歌を聴いていない。
街には様々な音が溢れているのに、歌は聴いていない。
テレビをつけっぱなしにしていれば歌は聴こえてくるだろう。
NHKのBSで久々に歌を聴く。
東京ドームの新記録を更新する80曲6時間40分のほんの一部。
もう還暦となったかつてのスーパースター。
二重顎に太目の体躯、艶っ気のない肌。
もうジュリーはパラシュートを背負うことは出来ないのだろうが、
しかし、正真正銘、本物の歌を聴いた。


2009.01.10 改題

何が「備忘録」なんだかさっぱりわからなくなったので、
すっきりとページ名を「−日めくり−」と改題した。
今日のことはブログにダラダラと綴ったので、
それでいい。


2009.01.11 デジタル家電

ひと風呂浴びたついでにヨドバシカメラに行く。
メインは洗濯機だったのだが、最近ガタつきだしたパソコンのフロアも覗いてみた。
最近は「家電芸人」なんて珍語も出来たが、なるほど近頃のデジタル家電は凄い。
とくにBDとDVDを画像比較した店内デモには驚かされる。
それにしてもデジタル社会は白モノ家電のフロアにも侵食しているのか、
「購入と同時にフレッツ光と契約すると洗濯機が半額!」
これには笑った。


2009.01.12 成人の日

新成人たちもとうとう平成世代に入ったようだ。
そういえば成人式の翌日は後期試験の初日だったことを思い出す。
まるで、この大学に浪人で入った奴はおらんだろと言わんばかりだった。
それから28年が過ぎて、寝正月の追加公演みたいな三連休を過ごしてしまう。
充電といえば聞こえはいいが、完全に放電したようだ。


2009.01.13 下降線

懐具合もさることながら、今朝は腹具合が悪化した。
朝の通勤電車でこれは恐怖だ。
腕を組んで寝た振りをしながら意識を別の方に逸らすことに腐心するが、
腸がグルングルンと音をたてているのがわかる。
こんなときに限って過密ダイヤが停車、徐行を繰り返す。
「くそう、なんでさっきの駅で降りなかったんだろ」
こういう後悔がチラとでも脳裏をかすめるのが一番良くない。
渋谷に着いてトイレまでダッシュ!といいたいところだが、
無防備に走ると取り返しのつかない悲劇に見舞われかねない。
こういうとき用に競歩を修得しておけばよかったと思う。
あれほど理想的なフォームはないはずだ。


2009.01.14 書き込み不能

しこたま飲んで、ほうほうの体で家に着いて寝床に倒れこんだ。
−日めくり−のアップは無理だということで翌日回しとなる。
楽しい酒は下り坂の体調を忘れさせてくれるのだが、
胃はもたれるわ、胸はむかつくわで、気がつけば急勾配を一気に滑降している。
冷えた布団で味わう一人アトラクションなりか。


2009.01.15 またひとつ

でもってまた飲み会。
気持ちとしては主役なのだが、こんな日に限って助演格。
いや、別にここで主役でいる必要もないのだが…。
たまに自分の歳を忘れてしまうことがあり、
年齢を聞かれて五十路手前ですと適当に返事をしていたが、
それが今日、また一歩リアルになった。


2009.01.16 今頃

世間では暗いニュースが飛び交っているが、
個人的には「凪」の毎日ではある。
ケータイを事務所に置き忘れてしまったが、
仕事のことを考えなくていいのは有り難い。
前職だったら終電が無くなろうが、ケータイを取りに戻っただろう。
去年の今頃はどうしていたかというと、『ちりとてちん』一色の毎日だった。
ちょうど、順ちゃんと友春の恋の行方を固唾呑んで見守っていた頃。
…って、去年の今頃もお気楽だったじゃねぇか。


2009.01.17 あれから14年

ニュースの冒頭で「神戸では…」という一声があったときに、
間違いなく慰霊祭の話だと思っていたら、心肺臓器移植の話題だった。
短いニュース枠では取りあげられることもないようである。
忘れてはならないという思いがある一方で、
もう忘れてしまいたいという願いもあるのかもしれない。
風化していく理由は時間だけではなく、何かしらの力学もあるのではないか。
来年は区切りの年なので、もう少し話題になるのかもしれないが、
こればかりは、当事者か家族でなければリアルな思いを馳せることは絶対に出来ない。


2009.01.18 ダラ週末

昨日から大き目のマグカップでいったい何杯のコーヒーを飲んだだろう。
もしかしたら2リットルくらい飲んでいるかもしれない。
2リットルか……あまり考えないようにしよっ。


2009.01.19 割合

人から気持ち悪がられようとも、
人生にはドキドキとワクワクが必要なんだと思いつつ、
どっかで斜に構えていないとバランスがとれない。
それは今さら変えることは出来ないのだけど、
多少は割合を調節することは出来るのではないだろうか。
そんな無駄なことを考えている時間が、一日の潤いになることもある。


2009.01.20 不発

風は強かったが、思ったほど冷たくなかった。
天気予報を確認していないのだが、南風だったのではないか。
それでも晩秋の北風の方がまだ暖かいのだろうか。
……そこで、人生観のひとつでもひり出したかったのだが、出て来ね(笑)。


2009.01.21 とか

「今度また」とか。
「機会があれば飲みましょう」とか。
「どこかでタイミングを合わせようか」とか。
結局、〆の言葉として便利だから使っているに過ぎないのではないかと反省している。
本当に繋げていきたい人にいう言葉はそうではないだろう。
例えば「春の連休にお会いしましょう」とか。


2009.01.22 電話

ある時期から取引先からの連絡や施策の提案にメールが多くなっていた。
そういう時代なのだろう。確かに文章が残るので、確認が取りやすい利点はある。
メールの利便性を否定する気はないし、大変に有り難いものだとも思っているが、
前職を辞める際に引き継いだ人間が、とにかくメールオンリーであるのには驚いた。
直接会わないのなら、せめて肉声を交わし合うのがコミニュケーションではないか。
常にメールの場合、YESかNOかの二者択一を迫られているような気がする。
電話で、あーでもないこーでもないとやり合う中で、別の選択肢が拡がることもある。
私はメールの文章で熱意や意気込みを相手に伝える自信はあまりない。


2009.01.23 不思議

「昼過ぎから晴れ間も見え、最高気温が15度まで上がるでしょう」
そんなことは俄かに信じられないほど、雨の残る冷たい朝。
でもって、ホントに晴れて一気に晴れてしまうのだから不思議なものだ。
もちろん、今さらその程度のことを不思議がる方が不思議なのだろうが、
そんな不思議を小学校の時に感じて興味を持っていたら、
人生も違っていたかも知れない。
いろいろと試行錯誤はすれど、相変わらず不良なことをやっている。


2009.01.24 追い焚き

惣菜の買出しに出たとき、雪が降ってきた。
積もることはないだろうが、白いものを見た途端に身体が一気に冷えた気がした。
浴槽にお湯をはって飛び込むのだが、つかっているそばからお湯が冷えてくる。
60度マックスでお湯を継ぎ足そうとしても、ボロアパートはそのマックスにならない。
いやはやここまではっきりとお湯が冷めていくのがわかるとつらいものがあり、
温まる前に指先がふやけていくのは気持ちのいいものではない。
また引っ越すようなことがあれば、絶対に「追い焚き出来る風呂」を条件にしよう。


2009.01.25 日差し

明るい日差しが障子を透して部屋に入り込んでくる。
これでは昨晩、雪が降ったことなど知らない人もいただろう。
それにしても明るい日差しには「とっとと洗濯せんかい!」と脅されているようだ。


2009.01.26 高校受験

虎友の娘さんが高校に合格したとのこと。
おめでとうございます。本命の公立までもうひと息、頑張ろう!
高校受験前で思い出すのは32年前のアントニオ猪木とウィレム・ルスカの“世紀の一戦”。
受験勉強のことなど殆ど憶えていないが、受験前のこの一戦のことだけは忘れられない。
偶然、CSのリモコンを触っていたら昔のプロレスを流している。
坂口征二、ストロング小林組VS上田馬之助、サンダー杉山組の北米タッグ選手権試合。
怒り狂った小林が竹ぼうきを片手に般若の形相で上田と杉山をどつき回している。
こんなものを興奮して観ていたからロクな高校に入れなかったのだ。
…って、こんな文では受験生へのエールにも何にもならないな。


2009.01.27 歩く

仕事帰りに闇雲に歩きたくなって、副都心線の北参道を下車。
明治神宮、渋谷、恵比寿と明治通りを歩きながら、目黒の寿司屋をめざした。
一時間半ほど歩いただろうか。
明治通りを歩くことなど殆どなかったので、原宿のラフォーレまでが知らない東京。
思えば、普段はほぼこのルートを地下鉄で通勤している。
最後は目黒川沿いを歩きながら、地上にある日常が確かめられたのは面白かった。


2009.01.28 やれやれ

七十近くになる上役から飲みに誘われ、最後はこちらが途中駅まで送るハメになる。
心配する奥さんからの電話が彼のコートの中で鳴っているので代返。
「今、電車に乗せましたので、あとは宜しくお願いいたします」
「本当に申し訳ございません。最近、すっかり弱くなってしまいまして…」
会ったことはないのだが、恐縮する奥さんが電話口で頭を下げている図が浮かぶ。
終電ギリギリになって困ったが、年輪を重ねた夫婦が羨ましくなるのも困ったものだ。


2009.01.29 仏頂面

最近、腹の底から笑ったことがあっただろうか。
大声で叫んだのはいつ以来だろうか。
愛想笑いも疲れるし、あからさまに嫌な顔を作る勇気もない。
最近、“曖昧な仏頂面”が身についてきたような気がする。
冬は決して嫌いな季節ではないのだが、早よ春来い。


2009.01.30 酒

「参ったなぁ、最初はビールで、次に焼酎で、水割り飲んで最後は日本酒でしょ」
ちゃんぽんして酔っ払ったと言い訳をする人は好きではない。
ちゃんぽんだろうがなんだろうが、酒を飲むってそういうことではないと思うのだ。
「いや〜酒が弱くなりました」といいながら、とりあえず飲んでいる状態が気持ちいい。


2009.01.31 悼む

去る28日。フォーリーブスのター坊こと青山孝が肝ガンのために亡くなった。
聞けばコンサートツアーの真っ最中だったという。
いやいや正直にいえば、フォーリーブスが復活していることを知らなかった。
久々に見るメンバーの顔写真には時の流れを感じさせ、これも残酷な気がした。
一枚だけレコードを買っている。『あなたの前に僕がいた』。
メロディもよかったが詞が印象的だった。今回、初めて作詞が北公次だったことを知る。
この先、芸能人の逝去によって改めて知ることも増えていくのだろうか。

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