■2016.03
日めくり 2016年03月(平成28年) ◄►
2016.03.01 しおしおのぱぁ~じゃ
カレンダーがめくれ、いよいよ春到来という今日、下手うった。
いや下手うっていたことに気が付いた。
クレジットカードのポイントを喪失させてしまったのだ。
そうだった、2月いっぱいでポイントが失効するのだ。
可能な限りの買い物、定期代から携帯電話、公共料金まで、
クレジットカード払いにしてきたのはポイントが欲しいがためだった。
おそらく貯めたポイントで大阪までの新幹線代がペイ出来だろうに。
別に貯金が目減りしたわけでもないし、誰かを儲けさせたわけでもないのだろうが、
健気に貯めていた日々が恨めしい。あーあ、腹立つのぉ。
2016.03.02 Super Tuesday
共和党候補のドナルド・トランプの勢いが止まらない。
では今のアメリカ合衆国の何がトランプを押し上げているのか。
格差と貧困への不満というなら合衆国だけの問題ではない。
むしろ経済も堅調、失業率も一時ほどではなく、社会不安とは無縁の国とも見える。
それでも貧困層の怨嗟の熱狂なら、トランプは彼らの対岸にいる資本主義の権化だ。
歯に衣着せぬ言動が、既存政治への不満を喚起しているともいわれるが、
単にポピュリズムが肥大して怪物化しているだけの現象ではないのか。
個人としてポピュリズムを全否定はしないが、合衆国の民度も大したことないなと思う。
合衆国ナンバーワン!の雄叫びに共鳴しているだけの話だとすれば幼稚すぎる。
かといってヒラリー・クリントンも日本の国益にそぐわない気がするし。。。。
そんな国のポチに成り下がっている現実をそろそろ考え直す頃だと思うのだが。
2016.03.03 そしてSuper Thursday
まさに虚実皮膜。そこをそう来たか!こんなん誰が予測しますのや!
『ちかえもん』は近松門左衛門の『曽根崎心中』に至るドタバタ成功譚ではなかった。
なにがホントでなにがウソか。もうそんなことを考えるのもアホらしくなる最終回。
むしろ虚実皮膜の戯作家・近松人形浄瑠璃の本質そのものではないか。
万吉の正体が知れる場面では、主人公と一緒になって鼻水垂れ流しで見ていた。
そしてなんという「痛快娯楽時代劇」な終わり方。
よくいえば藤本有紀女史の掌で遊ばせてもらい、
悪くいえば、藤本有紀女史にどつき回された8週間。
もう毎回がSuper Thursdayだった。
演出、音楽、撮影、照明、美術、音声etc・・・御苦労さま。ええ仕事されてました。
ちかえもん。お母はん、お初、徳兵衛、平野屋さん、番頭さん、義太夫はん、お袖、
お玉、愛すべき赤穂浪士の面々、九平次。そして万吉。
あんさんらのハッピーワールドに今すぐにでも飛んでいきたい。
2016.03.04 捲土重来、期す
あの歓喜は遠い日の幻になったか。
なでしこジャパン、リオ五輪絶望的となった。
残念ですらない。勝てないのでは話にならないからだ。
思えばW杯での決勝戦でアメリカに惨敗した時、
すでに凋落は始まっていたのだろう。
世代交代が巧く出来なかったというより、現状に安住しすぎていたのではないか。
新しい船を漕ぐのは、古い水夫ではなく新しい水夫だ(例えが古すぎるか)
それでも今まで何度も夢を見せてくれた彼女たちだ。
3年後のフランスW杯への捲土重来に期待したい。
2016.03.05 『ちかえもん』後遺症が抜けん
以前、『あまちゃん』の放送が終了した時、“あまロス”という言葉が流行った。
自分も軽い“あまロス”にかかった。
なにせ週6日間の習慣になっていたものが終わったのだから、それは仕方がない。
さて木曜日に8週に渡って放送された『ちかえもん』。
これにはロスなんてものではなく、かなりの後遺症(ダメージ)を負った。
放送が始まって以来、冬から春へもう完全に木曜日を中心に一週間が回っていた。
♪ちゃんちゃんちゃ~んちゃらちゃちゃちゃちゃちゃん じゃじゃじゃん
オープニングテーマが頭を駆け巡り、スイッチが入ったように目がうるうる。
花粉症のせいにして電車の中で何度思い出し泣きしたことだろう。
油断すると万吉の不孝糖売りの掛け言葉が口をついて出てしまう。
おそらくこの症状が抜けるのにはあと8週はかかると思われる。
ほんとに藤本有紀はなんちゅーことをくれたのだ。
ネットの素人のレヴューなど斜め読みが常なのだが、思いを共有する有難さ。
ああ、レイニー守口大根さんと、あの時と同じく長電話で語り合えたら。
2016.03.06 ブーメランのように
昔、そんなタイトルの映画があった。主演はアラン・ドロンだったか。
さて、歳を取ってすっかりもの忘れが激しくなった両親。
そんな両親に顔をしかめながら半日を過ごした後に限って、
必ずブーメランのように我が身に返ってくる。
食材の買い出しでスーパーに寄り、レジを済ませた帰り道のこと、
ふと気が付けばショルダーバッグだけで、買い物袋を持っていない。
店内に忘れてしまったか、、、と舌打ちしてUタ―ン。
ところが放置されていたと思っていた袋がどこにもない。
サービスカウンターに届けられていないか尋ねてもないという。
人の買い物なんか持って行く奴なんかいるんかいなと思いつつ、
仕方なくサービスカウンターに名前と連絡先を告げてスーパーを出る。
アパートまでの帰りしなに「あっ」と思って、ショルダーバッグの中を確認。
「あった」。なんだよ、ちゃんとバッグの中にしまっているじゃねぇか。
単なるうっかりだとしても、これはなかなか根が深い。
まず、レジを済ませた後に品物をバッグに入れたことを忘れている。
さらに袋がないと気が付いたとき、なにも迷うことなくスーパーに引き返している。
バッグにしまったことに思い当らない。いつものように忘れ物したと思い込んでいる。
要するに自分で自分をまったく信用していないのだ。
無意味な徒労に情けなくなって、喫煙スペースでタバコに火をつける。
一応仕種だけはアラン・ドロンばりに。
2016.03.07 激痛の共有
職場の後輩が脇腹に激痛があったとかで、病院に行ったら尿路結石と診断されたらしい。
思えば腎尿路結石と診断され、衝撃波砕石術を受けたのが二年前の今頃だったか。
初めての血尿、血圧200超え、座薬、点滴、そして初めての入院を経験した。
点滴の棒を握りながら車椅子で運ばれたとき、終焉の最初の一歩を踏んだのだと思った。
職場で結石の話題になると、出るわ出るわの結石経験自慢が。
世の中に尿路結石の激痛に見舞われた野郎どもがこんなにもいるのかと思う。
確かに自分以外の誰かとあの痛みを共有したい気持ちはよくわかる。
中にはビールをしこたま飲んで勢いで石を出したという豪の者もいたが、
尿道にカテーテルを突っ込まれて石を出した話が一番強烈だった。
自分は辺りにゲロ吐き散らしながら這いつくばるように救急病院まで行った。
あれは傍から見れば、殆んどゾンビだったに違いない。
本人は恐ろしく深刻なのだが、経験者同士では笑い話になるから不思議な病気だ。
2016.03.08 神戸vs名古屋
もちろんタイガース対ドラゴンズの開幕戦の話ではない。
山健組系の神戸山口組と弘道会系の山口組の話。
この両者、いつドンパチ始まるかと思いきや、案の定、地方から火が付いた。
昭和60年の山一戦争の頃と違い、今や暴対法でヤクザはがんじ絡めにされている。
あの時のように25人の血がアスファルトを染める事態までは考えにくい。
なにせみかじめを要求したら、支払った店ごとパクられる時代になったのだ。
下手に抗争など始めたら警察の思うつぼとなる。その警察が「抗争状態」と認定。
こうなると神戸も名古屋だけではなく警察も簡単には引けない。
小学校の集団登下校など、組事務所の周辺では不穏な空気に包まれているが、
おそらく強権を手に入れた警察の圧勝に終わるのではないだろうか。
しかし分裂は抗争に直結するのは山口組の歴史が物語る。
この先、どんな展開となるのか、いよいよ目が離せない。
……相変わらずワタシはなにを期待しているのでしょうか。
2016.03.09 またも巨人から不祥事
高木京介の涙の謝罪会見を見てつくづく思う。
普通に考えれば、一部の選手の間だけで賭博行為が完結していたとは思いにくい。
手を染めないまでも、選手、首脳陣がまったく知らなかったなどあり得るのか
かといって、プロ野球の選手の中にギャンブル好きがいるのは不自然ではない。
燻っていることのストレスが半端でない代わりに、過分な金は持っている。
もともと勝負事は嫌いではないだろうから、一発張ってみたいと考えるだろうし、
その金を狙って甘言を弄して近づいてくる不逞の輩もいることだろう。
アカンと思うのは、麻雀やポーカーの類ではなく、野球を賭けたということか。
自分の商売を貶めたのだから馬鹿野郎の誹りから逃れられないのは当然だろう。
それでも女の始末のために闇組織に一億払った前監督よりはマシだ。
その前監督がとっとと安全地帯に逃げたのも、逃がした球団もつくづく腹が立つ。
ここ数年で巨人が起こした不祥事の量は異常ではない。
2016.03.10 今さらながら劇団カクスコ
困った・・・。14年も前に解散した劇団のライヴ中継にハマっている。
劇団カクスコ。彼らの存在を知ったのはNHKでの舞台中継を偶然観た時だった。
カクスコの解散を受けての放送だったので、知った時が彼らの終わりだった。
せめてDVDを買おうとしたのだが、これも期間限定盤でとっくに完売。
それから月日が経ち、もうカクスコのことはたまに思い出す程度になったのだが、
最近は毎晩のようにYouTubeの粗い画面で彼らの舞台に見入っている。
内容はサツキ荘で繰り広げられる、さえない男たち6人のどうってことのない話でも、
芸達者たちから溢れだす絶妙のセリフ。ギャグとコーラスがテンポよく飛び出す面白さ。
こんなに楽しい舞台があったのかと、悔しい思いに駆られながら夢中になっている。
では、なぜ今さらカクスコなのか。藤本有紀が台本に絡んでいたからに他ならない。
『ちりとてちん』以前の藤本有紀の仕事がこれほどのクォリティで展開していたとは。
来週は『ちかえもん』で赤穂義士を演じていた(?)茂山家の狂言を観て来る予定。
相変わらず藤本有紀に引きずられ放しの体ではある。
2016.03.11 5年目の東北
早くも5年。まだ5年。
時間の過ぎてゆく感覚は人それぞれだろう。
年齢の差もある、何よりも震災の当事者かそうでないかが大きい。
その後の人生の過ごし方でも震災の捉え方は千差万別なのだと思う。
我々は外側からこの悲劇を教訓として語られるのを聞く。
それはそれで非常に大事なことなのだとは思う。
戦争は人間の力で食い止められるが、天災は必ずやってくる。
だからせめてもの備えに、東北が残した膨大な教訓は得難いものではある。
しかし悲劇の象徴となった南三陸町の防災センター。
解体か存続かで揺れていることが、震災後の人々の思いをまた象徴している。
忘れてはならないとの思い。忘れてしまいたいとの思い。
ふたつの思いがあることを今日一日、噛みしめなければならない。
2016.03.12 お見舞い
叔母の病室を訪ねると、ベッドで静かにまどろんでいた。
その顔をじっと見ていたら、静かに瞼を開いて「あら」と。
見つめられると、気配を察する能力は誰もが備わっているのだろうか。
昔からずっと不思議に思っていた。
そういえば犬でも猫でも人を見るときはちゃんと目を見る。
飾り気のない部屋に開けっぱなしのドア。
手繰り寄せた車椅子に母親を座らすと、一層年老いたように思えた。
2016.03.13 鎌倉の長谷寺にて
長谷寺の観音堂から見おろす海岸線。
由比ヶ浜から三浦、葉山へ続き、かすかに裕次郎灯台が見える。
風はやや冷たかったが、こぶしの花が咲き、確かな春の訪れを感じる。
母もよたよた歩きながら、何とか観音堂まで上がってきた。
覇気がなく、僻みっぽくなった父との生活でストレスを溜めていたのだろう。
車の中でやたらと饒舌なのには参ったが、
予定を変更して鎌倉に連れて来たのはよかったかもしれない。
2016.03.14 民進党か・・・
型にはまった固有名詞を考えるとなると日本語はなかなか融通が利かない。
映画の邦題もそう。『哀愁』『旅愁』『旅情』『慕情』……と、少しも自由ではなく、
奔放な原題をそのまま直訳して日本語にすると、タイトルの体を成さないものが多い。
とりわけ日本語の不自由さが顕著に現れるのが政党名ではないだろうか。
それにしても「民進党」では、以前の「新生党」「新進党」のレベルと変わらない。
まるでドラマで使う政党名だ。東都大学しかり、毎朝新聞しかり、銀竜会しかり。
自由と民主は使えない、「共」や「社」は避けたい。結局、単語の組合せになる。
そもそも世論調査で名前を決めてもらったこと自体、いかがなものだったか。
ただ「立憲民主党」が候補にあがったのなら「立憲党」の方がマシだったのではないか。
好き嫌いはともかく、民進党より意気込みは示せたはずだ。
2016.03.15 円陣で金銭を賭けること
巨人が円陣の際に金を賭けていた問題。
金を出し合って勝利すれば円陣の声出し役が総取りとなるシステムらしいが、
巨人のことは大嫌いだが、それって何が駄目なのかさっぱりわからない。
プロが士気を昂揚させようというのだ。何か問題があるだろうか。
そもそも負けに張れないのだから賭けですらない。
賭博行為の温床?子供に悪影響?おいおい子供をダシに使うなって。
朝のニュースを観ていてカリカリしていたら、
案の定、阪神タイガースでも行われていたことが発覚。
「嘆くプロ野球ファンのためにも、開幕を延長してでも徹底的にウミを出すべき」と、
報道ステーションでは、それこそプロ野球ファンが嘆くような提案をしていたが。
2016.03.16 「正義」が肥え太っとる
ネットの書き込みに見られる「便所の落書き」と「正義の大安売り」。
その2つしかないとはいわないが、どうも肥え太る正義が気色悪い。
いやネットばかりではない、ネットも含むメディア全体が異常に他者に厳しい。
どうも世の中、聖人君子が大量発生しているのではないか。
くだんのプロ野球円陣問題しかりで、マスコミ論調の正義の押しつけはどうだ。
実はこの度、阪神球団の名前が出たことで、大いに安堵している。
これで東京ドームの試合で巨人が円陣を組むたびに、
「こらっ、お前ら、そんなところで集金やっとんのと違うか?」
などとニセ関西弁の下手なヤジを聞かなくて済みそうなのが非常に有難い。
結局、ヤジと正義は背中合わせで、ヤジが正義の装飾を纏う風潮なのだろう。
年初に騒がれたベッキーの不倫騒動でも歪な正義が跳梁跋扈した。
ベッキーの出演番組に視聴者からのクレームが相次いだらしいが、
そもそもあれはプライバシーの侵害とイリーガルな手段でリークされた情報だ。
その前提が問題にされることなく、生贄に正義が群がった。
その構図が歪だというのだ。
「プロ野球選手の金銭感覚は、我々庶民の常識と相当にかけ離れているようだ」
我々庶民?新聞社やテレビ局の給料はとても庶民とはいえまいに。
なぜ人は建前の正義に走るのか。きっと聖人君子になりたいのだろう。
2016.03.17 茂山千五郎家狂言会
今宵の演目は『鼻取り相撲』『清水』『重喜』の三題。
5回目の鑑賞。国立能楽堂に来たのは4年ぶりくらいだろうか。
もとより複雑な筋書きはなく、人を食ったような滑稽話が繰り返されるのだが、
狂言の楽しさは、古典芸能からこぼれてくる現代的な可笑しみだと思っている。
その様式を長年の精進で追及していく狂言師たちもまた「可笑しみの存在」なのだ。
この秋には千五郎が名跡・千作を継ぎ、正邦が千五郎を襲名するなど大きな動きがある。
4年前、初舞台直後でハラハラさせ、出番が終わるとロビーで遊んでいた虎真。
今夜は長台詞を堂々とこなし、御大相手に見違えるほど舞台映えしている。
たかだか4年ではあるが、伝統芸能の流れの中で茂山狂言は確実に前進していた。
前進といえば、自ら好きな演題という『清水』で太郎冠者を演じた茂山宗彦。
モッピーもしばらく見ない間にグッと精悍さが増していた。
『ちかえもん』で大石内蔵助を演じた七五三との親子競演も堂に入ったもので、
もはや徒然亭小草若の面影を窺うのは難しいほど。
終演後、ロビーで観客と気軽に記念写真に応じていたモッピ―がやけに大きく見えた。
2016.03.18 忘れてた(汗)
友人の命日を忘れて、2日過ぎてもうた(^^;
そもそも友の命日なんてそんな按配なのだと言えよう (^_^;)\(-_-;)。
『ちかえもん』をどう見たか。来週開幕の金本阪神の展望はどないか。
そのあたりの諸々の物件、聞いてみたかった。とぞ思ふ(^^;
2016.03.19 うましうるわし奈良
奈良交通のバスツアーに参加してみた。
コースはAM9時55分JR奈良駅をスタートして斑鳩の里へ。
法隆寺から、中宮寺まで歩き、慈光院でお茶を戴きながら庭を眺め、
西ノ京で薬師寺、唐招提寺を拝観し、車窓から平城京・朱雀門をチラ見。
17時に奈良駅に戻ってくる7500円のコース。
7500円は高いなと思ったものの、移動料金、拝観料を考えればそれほどでもない。
ましてガイドの親切な案内がついて、お坊さんの話も聞ける。
法隆寺も薬師寺も唐招提寺も初めてではないが、知らなかったことばかり。
釈迦三尊、百済観音に盧舎那仏、千手観音と、教科書でお馴染みの仏像界のスターたち。
いかにもプロといった雰囲気のガイドさんの説明も楽しかったが、
仏像は初見よりも再会の方が味わい深く見ることが出来る。
いつも西国の寺めぐりは闇雲に数を廻るのだが、密度の濃い旅も悪くない。
2016.03.20 古事記
奈良に来た以上、興福寺の阿修羅像の御尊顔を拝まなければならない。
また奈良公園の鹿たちの様子も伺わねば奈良に来た気がしない。
そんな具合に春日大社から東大寺を経てならまちを散策。わりと王道コースを歩く。
そんなことより驚いたのが、奈良のホテル。
聖書が置かれているのは普通だが、なんと古事記が置いてある(笑)
「古事記」は稗田阿礼が伝え太安万侶が編纂した日本最古の国史書。
などと教科書的な解答はともかく、内容は意外と知られていないのではないだろうか。
吉野神宮で古事記の絵解説入りの小冊子が100円で売っていたので購入。
そこに紹介されていた神話のいくつかを読んでみると、
自分の抱いていた「神」の概念は、キリスト教的な「神」だったことがわかる。
日本の神話に出て来る神々の物語はむしろ人間的な英雄譚に近い。
スサノオVSヤマタノオロチなど典型的な戦闘ファンタジー。
そのスサノオが狼藉を働いてアマテラスの怒りを買う「天岩戸」など、
そのまま狂言に翻訳されてもよいくらいにファンキーな物語だ。
子供の頃に童話のつもりで読んだ「因幡の白うさぎ」「海幸彦と山幸彦」。
これらの逸話も古事記に記載されているものだと初めて知った。
意外と古事記は我々の身近で語り継がれてきたのかもしれない。
もちろん神話の神々はやがて天皇家として継承されることになるわけで、
日本人が皇室に畏れと同時に、ある種の親しみを覚えるのはそういうわけなのだろう。
だからといって今から古事記を研究するつもりはないのだが。
2016.03.21 まだ桜咲かぬ吉野へ
“鬼の居ぬ間の洗濯”というわけではないが、
千本桜が咲き乱れ、見物客が押し寄せる前の吉野に足を延ばした。
吉野は「紀伊山地の霊場と参詣道」。世界文化遺産の一角を担う。
昨年末に熊野をめぐった際、近いうちにと吉野行きは決めていた。
熊野もそうだが、時間さえあれば歩いてみたかったという思いも強い。
吉野山の突端に差し掛かった瞬間から世界遺産のお墨付きなど吹っ飛んだ。
山岳信仰の深遠な佇まい。凛とした空気感は格別。
自分は単なる参拝者に過ぎないが、修験者たちの“気”が感じられるのだ。
吉野山は役小角(えんのこづね)由縁の役行者霊蹟札所が並ぶ。
金峯山寺、吉水神社などまさに神仏習合の極みといったところか。
残念ながら大峯山寺までは行けなかったが、それはまた次の機会に。
登山口から本殿まで3時間の登山。やれるかどうかわからないが。
2016.03.22 ブリュッセルのテロ
20世紀が戦争の世紀なら、21世紀はテロリズムの世紀なのだろうか。
ベルギーでテロ。世紀の区別なくヨーロッパは常に流血の惨禍に見舞われている。
空港や地下鉄でのパニック映像を見て、つくづく思うことは、
テロリスト集団たちの理論を、こちらの価値観で語ることの空虚さか。
平凡すぎる感想なのだけど。
2016.03.23 246の事故ニュース
職場でTBS『ひるおび!』のニュースを眺めながら弁当を頬張っていた。
映像は深夜に起こった世田谷区の国道246号での衝突死亡事故。
パトカーに追われた暴走者が交差点でタクシーに衝突。
その一瞬を停車中の車載カメラが捉えていた。
司会者は事故の状況を説明し、コメンテーターは暴走者の無謀運転を非難する。
気になったのは、番組はその事故の瞬間映像を15回も繰り返し流していこと。
事件の大きさではなく、映像があることで番組が成立する。
それにしても15回とは!これは一体、報道なんだかエンターティメントなんだか。
別のいい方をすれば運転手が即死した瞬間を15回も見世物にしているのではないか。
視聴者は本当にそんな映像、15回も見たいのか。
2016.03.24 キラー白鵬
琴奨菊の綱取りは潰えたが、稀勢の里と豪栄道が好成績で盛り上がる大阪場所。
大関が強い場所は盛り上がる。いや、大関というより日本人力士というべきか。
しかしここに来ての白鵬の強さはどうだろう。
稀勢、豪栄を一蹴、鶴竜もまったく問題にしない。
もう相手を受け止める横綱相撲などさらさらする気などないようだ。
大鵬の優勝回数を超え、「なにを目標にしたらいいのか」と語ったあたりから、
言動、土俵態度がめっきり悪くなったといわれている。
審判へのクレーム、猫だまし、執拗な張り手、ダメ押し…。
そしてとうとう勝負審判を病院送りとした。
そこには相撲協会の相次ぐ不祥事の中で、孤軍奮闘で国技を支えた姿はない。
自分にいわせれば、実にわかりやすくヒール化した。
だから白鵬が負けると大いに盛り上がる。
いや仕切りの時から取組力士にコールの一斉合唱が始まる。
完全にプロレスのヒール役とまったく同じ効果が展開されているのだ。
もし白鵬がそこに自らの存在価値を見出したのであれば、そのセンスは凄い。
頑張れ白鵬!とはいわないが、孤高の横綱には俄然、注目している。
2016.03.25 金本タイガース初陣飾れず
プロ野球、2016年シーズンが開幕した。
「ファンも気持ち良く開幕を迎えられない」などとしたり顔のニュース報道をよそに、
どこの球場が満員の観客で埋まったという。
ファンの気持など考えたこともない奴の発言などゴミ箱に捨ててしまえばいい(怒)
とくにセ・リーグは監督が半分替わり、全員40代のフレッシュな顔ぶれとなった。
とくに輝く我が名ぞ阪神タイガース。
金本智憲の監督就任、掛布雅之の二軍監督、藤川球児の復帰、若虎たちの台頭。
これで期待しない阪神ファンなど間違いなくイモだ。
しかし無敵の我等ぞ阪神タイガースは開幕戦を落とした(泣)
昨年「開幕投手は俺だ」と言い残してアメリカに帰っていったメッセンジャー。
言い放った割にはピリっとしなかった。。。。なんやねん(苦笑)
2016.03.26 ウイニングボール
よしゃ勝った。
ウィニングボールを握りながら、少し照れたような笑顔を浮かべた金本知憲。
高山-横田-ヘイグ-福留-ゴメス-鳥谷-西岡-岡崎
昨年とガラっと変わった野心的なスタンディングメンバーではないか。
それにしてもドラフト1位の高山俊が初打点。
ゴールデンルーキーなのはわかってたが、
こんなに早々と結果を出すとは思わなかった。
金本監督初勝利の試合でお立ち台に立つなど、やってくれるではないか。
初々しさと愛敬は微塵にも感じられないが。
2016.03.27 野球中継と大相撲中継
テレビで大相撲中継、パソコンで阪神戦中継を同時視聴していた。
17時半を少し回った時、ちょうどどちらもエンディングに差し掛かっていた。
京セラドームでは9回表、虎の新守護神マテオと猛打連発のビシエドの対決。
大阪府立体育会館では白鵬と日馬富士の千秋楽結びの大一番。
考えてみれば地下鉄で2駅くらいの距離ではないか。
白鵬が立ち合いで変化してあっさりと優勝を決めた瞬間、相撲中継に釘付けに。
白鵬のヒール志向を確信していたこともあって「おお、ここまでやるか!」と。
パソコンに目を移す。飛び交うジェット風船にナインをハイタッチで迎える金本。
おお勝ったか。残念ながら球児の勝利はお預けとなったが、見事開幕カード勝ち越しだ。
テレビではブーイングの中で解説の北の富士が結びの一番をネチネチと批判。
パソコンでは本塁打を放った福留と決勝打のヘイグのお立ち台。
優勝インタビューの白鵬が涙ながらに取り組みを謝罪。
なんだよ、ヒール化計画はこちらの思い過ごしだったか。
金本は勝利監督インタビューで、よく戦ったとナインを労うコメント。
「責任感が強すぎるので球児が一番ほっとしたと思う」の言葉が印象的だった。
涙で言葉が出ない白鵬に館内から拍手が。
北の富士も「ちょっと言い過ぎたかな」と。
次の関東遠征もイケイケでやると勝利監督インタビューを締めくくった金本。
・・・18時になろうとしたところで、目と首が妙に疲れていることに気がついた。
2016.03.28 なんとか間に合った米澤穂信『満願』
図書館の貸し出し期限は2週間。
普通は2週間もあれば330ページ程度の単行本ならば余裕で読み切れる。
米澤穂信『満願』。一昨年のミステリーNO.1とされる短編集。
さすが面白かった。
面白かったゆえに一話を読み終わるたびにインターバルを置いてしまう。
よく出来た短編集は集中して一気読みが出来ないから困る。
いやいやそうではあるまい。
やはり今、本を読むことにそれほど気がいっていないのだと思う。
本を読みたい欲求に波があることは知ってるが、
読書にもスランプがあることが今回よくわかった。
なんにしても返却期限に間に合ってよかった。
2016.03.29 粘投
野球造語なのだろう。〈ねんとう〉と打っても〈粘投〉とは変換されなかった。
さて、まだ桜も四分咲きの東京。厚着なしではいられない神宮球場に行って来た。
チーム総出で勝ちを獲りに行く開幕戦と違って、
週明けの初戦はリリーフ陣を休ませておきたい。故に先発投手は完投を求められる。
火曜日初戦のマウンドに上がるのは、満を持しての藤浪晋太郎。
思うようにボールがコントロール出来なかったか、三振を四つしか奪えていない。
しかし冷たい風の吹く春の野外球場での149球、まさしく〈粘投〉だった。
結果的に9回2死まで漕ぎつけ「あと一球」コールを聞きながらも降板。
ヒーローインタビューで開口一番「完投出来ずに悔しい」とコメントした。
相手投手は館山昌平。近々の神宮観戦ではずっと痛い目にあってきた。
一昨日の藤川球児といい、今夜の館山、そして福岡での和田毅と、
若手の台頭が著しい中、松坂世代は苦悩しとるなと思う。
そんなこんなで、私の2016年シーズン球場観戦が本日開幕したのだった。
2016.03.30 ちんぽ挟みポーズ(恥)
職場帰りにレイトで観た『リリーのすべて』という映画で、
主人公が自分のちんぽを股に挟んで鏡に映すシーンがある。
断言してしまうが、男の子ならほぼ全員これをやった経験がある筈だ。
アホと思うか、うっとりしてしまうかで人生に何らかの影響があるのかも。
いや映画はトランスジェンダーの愛の葛藤を描いた真面目な映画で、
決して往年の山本晋也ばりのふざけた映画ではない。
さて自分はどうだったのかというと、妙にうっとりしてしまった口だ。
今思えばあれが最初の性の目覚めであり、ナルシズムの始まりだったのかもしれない。
って、俺は一体何をカミングアウトしているのだろう。
2016.03.31 延長12回5時間13分ドロー
ドラ1ルーキー、高山俊のプロ入り初ホームランが飛び出した試合。
先頭打者の第一球目を叩いた一発など、仕事帰りの勤め人が見られるはずもなく、
6時プレーボールに不満タラタラで、せめて6時半から始めんかい!と思っていた。
引き分け試合が終了したのが午後11時過ぎ。
明日が休みならまだしも、帰宅するまでの徒労を思うとうんざりする。
こういう試合をテレビで観ていると、観客も大変だなと同情するのだが、
いざ自分がそういう試合に直面すると、苦笑いするしかない。
せめて10時には終わらんかい!
つくづく人間なんて現金なものだと思う。
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